ならいごと

 先生の軽やかな指使い。弾むような音色、五線譜を彩る音符たち。

 じっと真剣な眼差しを向け、先生の演奏を真似しようと、懸命に鍵盤を叩く我が子。


 こんなに大きくなったのね。

 目の奥がぐっと熱くなる。


 曲の合間に雑談を挟みながら豊かな時間を過ごしている様子を見ると、高い月謝を払っている甲斐があるというものだ。


「先生、見ててね! この曲お家で練習してきたの!」


 また、新しい音が鳴る。

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