第5話 新なヤンデレ
「純様、メッセージアプリも交換しましょうよ」
昼休みに純様に甘えてみると様子がおかしい。
「俺、見たのだ、校舎北で、でんでんムシと会話する女子を……」
は?
まさかの心変わり?純様のヤンデレ好きには困ったものだ。私は積極的に純様の唇を奪う。絶対に負けない、純様は私のモノよ。
「純様、私だけを見て、でないと……」
刺すは不味いし、股間を蹴るでは下品だ。ここは曖昧にして純様を信じよう。
「あ、ぁ、僕は和穂一筋だ」
うむ、この言葉を信じよう。例えお邪魔ムシが現れても私は純様のモノよ。そんな誓を立てていると。見るからに暗い女子が近づいてくる。
「王子様、見たでしょ、私の秘密」
それは校舎北で、でんでんムシ君と話していた女子であった。
「陰険な女、友達は明るい校舎南のダンゴムシ君くらいのたしなみはなくて?」
「誰?この女子は!私はここに居る王子様に用があるの」
「私は純様の恋人よ」
それは走る火花は嵐の予感であった。
純様は忙しい人である。学年トップクラスの学業にバスケ部をまとめるキャプテンの部活動がある。昼休みも英語の単語帖を見ている。
結果、メッセージアプリなどしている暇はなく。寂しい恋人同士であった。二十年前はメッセージアプリなど無かったのだ。それを理由に寂しがるのは場違いである。
でも……無いモノねだりであった。
しかし、こうして昼休みに中庭のベンチで一緒に居るだけでドキドキして幸せな気分になる。
「純様は食べるのが早いね」
「昔から言われる、だから、水分が無いと大変な事になる」
何気ない会話は平和な証拠だ。
うん?何か視線を感じる。わたしが後ろを見ると。でんでんムシ女子こと真夜であった。
げ、こっちを見ている。
怖いなー。
これは同族嫌悪かと思えばそうではない。私とは殺気が違うのだ。しばらくして殺気が無くなるのを感じると真夜は去っていった。
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