名のない君へ捧ぐ

あと10日

君も私も今日は夜遅く、というか朝早く、午前5時半に寝ました。

起床は11時前ですが、7時代の会話も聞こえていました。

ということで今日はとても寝不足です。

朝早くまでポコポコし続けた君も寝不足ではないでしょうか。

君は昨日の夜、たぶん怒っていました。

おとーにゃんと電話する約束をしたのに、電話する前におとーにゃんが寝たからですね。

電話はできずに終わりました。

だから君は朝まで粘ったのでしょうか。

私と君が寝た5時半は、おとーにゃんが起きた時間だそうです。

すれ違い通信していますね。

昨日の夜の君は、とても縦でした。

ちょっとわかりづらいですね。

頭が下で、私のおへそ側に君の背中とおしりがあって、私の背中側に君の手足がありました。

君の「ポコポコ」が、なかなか内臓に響くなあと思いました。

見たこともないくらいお腹が縦に膨らんで、

「昨日まで横に出てたのに」

と、やっぱり性別不詳な君に笑わされました。

君はおしりだけなら一度映ったことがあるけど、それ以外はお顔もおしりも隠していて、性別はなんとなくしかわかっていません。

私の下の子がちょうど、「医師から言われていた性別とは違うと生まれてから知った」パターンなので、君もそれかもしれません。

どちらにしても、君はかわいいからよし。

頭が下、ということで君は私の母――おばあさんになるのかな、にも「えらいよー」と褒められていました。

生まれる前からえらい子です。

思えば君が形になる数か月前までは免疫抑制剤とステロイドを服用し、

君がいるとは気づかずに1日に何度も転倒して危険にさらし、

一番大事な時期に1日に3リットルもコーヒーを飲み続けてカフェインまみれにし、

呼吸困難の痙攣発作も起こして酸素供給を止め、

風邪薬を服用してまた危険にさらし、

コロナにもかかってステロイドも浴びさせ、

と、君がいるとわかった妊娠16週までは散々なことをしていました。

それがこんなに大きくなって、最近ではみんなから「奇跡の子」と呼ばれています。

生まれる前から十分奇跡なんだけど、ちゃんと生まれる奇跡も起こしてほしいです。

おとーにゃんとおかーにゃんが迎えに行きます。

みんなが待っています。

じゃあ、また明日。

君と会えるまで、たぶん、あと10日。