日曜日、退院
日曜日は朝から晴れた。朝食後私はパジャマから、外出着に着替えた。
そしてTVカードを使い切るためTVをつけっぱなしにした。
寝間着などはベッドに畳んで置き、引き出しなどに忘れ物がないか点検した。
私は荷物を持つことが出来ないから娘が持ちやすいように持って帰る物を詰めた。
そうしていたら、父が「おはよう!」と言って病室に入ってきた。
「え!来たの!」
「今日退院だろ、最後に病室見たくてな」父はそう言って笑った。
「えっと、もう少し時間かかるよ」と私が言うと
「大丈夫さ、そこ当たり見ているから」と父は言って病室を出て行った。
しばらくすると娘がやって来た。父が来ていることを話すと。
娘「え、来るって言ってた?」
私「聞いてないよ。びっくりした」
娘「とにかく、入院代払ってくるね」
私「お願いします」
娘は支払いのため病室を出て行った。入院費用を納めないと退院できないから、娘が帰ってきたら本当に退院できる。それにしても、どこ行ったんだろう。お父さん。
余りにも帰ってこないので、私は探しに出かけた。センターに聞くと「そういえばいらっしゃったね。どこかしら?」との返事。娘も帰ってきたので、二人で探していたらひょっこりと病室に帰ってきた。聞くとトイレに入っていたらしい。
父も見つかったので私たちは最終の荷物の確認をした。
用意が出来たので、「さ、行こうか」と二人に声をかけ私たちは病室を出た。
センターで「お世話になりました」と声をかけエレベーターに乗り込んだ。
1階に降りロビーを通って、外へ。客待ちしていたタクシーに乗り込んだ。
「そういえばお父さん家まで来るの?」と私が聞くと
「いや、商店街の近くで降ろして」と父は言う。
タクシーの運転手にその旨を伝え、商店街の近くで父を降ろした。
「また会いに行くね」と私が言うと父は手を上げて商店街の方に向かっていった。
「出して下さい」私が行先を告げるとタクシーは家へと向かった。
暫くしてタクシーは家へと着いた。久しぶりの我が家。
私は「ただいま!」と言って家へと入った。
こうして私の42日に及ぶ入院生活は終わった。
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