面会が出来る!!!
杖で歩くようになって、廊下の掲示板をふと見ると、『面会のお知らせ』と言う掲示物を見つけた。え!面会できるの?と思いよく読むと、親族のみできるように書いてある。
数人であること。熱を測ること。マスクをすること。時間は1時間ほど。センターの名簿に記録すること。
等が条件として書かれていた。
私は早速娘にメールで知らせた。すると返事が来て、『今度洗濯物の取り換えの時に申し込んでみる』と書いてあった。久しぶりに娘に会える、私の心は踊った。
洗濯物の取り換え日、娘は病室まで来て洗濯物を取り換えた。そしてこれから用意する物についていろいろと相談した。「だいぶ家事もなれたから、大丈夫」と言う娘が頼もしく感じた。
「土曜日はじいちゃんを連れて来るね。あ、それとじいちゃんにもメールして、心配していたから、頼んだよ。」と言って娘は帰って行った。
土曜日はリハビリを午前中にしてもらって、二人を待った。
「こんちわ!」といつもの口調で、父が娘とやって来た。「どうなんだ、歩けるようになったのか」と父が言うので、杖だけで歩けるようになってきていると説明した。
「それはよかった、それにしても親子でおんなじところ怪我するとわな~」とあきれるように言う。「私は母ちゃんと違ってちゃんと歩けるようになるよ、まだ若いんだから」と私が冗談交じりに言うと、「そりゃそうだ」と父が答え久しぶりに和やかな空気に包まれた。
一時間は短く感じた。「そろそろ帰ろうか」と娘が言い、私は杖でエレベーターまで送った。「大分歩けるんだな、安心した。又来る!」と父が言い、私が「またね!」と言うと、二人は帰って行った。
食事まで時間があったので、私はそのまま自主練に入った。やっぱり直接会って話せるのはいいな。とつくづく思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます