自主練のやり過ぎ、倒れそうになった。
娘たちと面会した土曜日の夜、少し立ち眩みがすると思っていたが気にせずにいたら、日曜日のリハビリの時にふらついて倒れそうになった。
早々にリハビリを切り上げ部屋に戻ったのだが、佐々野さんが「おそらく食事が足りていないのね。このごろよく動いているみたいだし」と言う。
私が「昨日の夜立ち眩みがして・・・」と答えた。
「娘さんに連絡しておやつを持ってきてもらいなさいよ。売店はなかなか行けないから、ジュースは飲まないんでしょ?」と佐々野さん。
「はい、ジュース類は飲まないです。でもおやつ食べていいんですか?」と私。
「栄養不足で倒れたら何にもならないからね。転ぶと人工関節の脱臼の心配があるし。看護師に何か言われたら、私の許可が出てると言っていいから」と佐々野さん。
「解りました、ありがとうございます」と私はお礼を言って、佐々野さんは病室を後にした。
おやつか・・・。えっと確か・・・と私は鍵付きの引き出しを探した。
あったあった。それは、入院した日に買ってもらった『シリアルバー』その日は痛みが酷くて結局食べていなかった。
それの封を切って少し食べてみた。久しぶりの味。おいしくて一本ぺろりと食べてしまった。本当に食事が足りていないんだと思って、娘に「おやつが欲しい」と理由を書いてメールを出した。
翌日は、もう一本を食べて少し体調がよくなった。夕方、洗濯物を持ってきた娘が「色々貰ったから、食べやすいものを選んで持ってきたよ」と言って、沢山差し入れしてくれた。
「え、こんなに貰ったの?」と私が聞くと、「うん、コロナでみんな大変だろうとしょっちゅう配られてるの。派遣の私ももらえるから、家にたまってどうしようかと思っていたから、遠慮なく食べて」と娘が言う。
「いただきものなら遠慮なく食べるわ、ほんと、栄養不足で倒れそうなんておかしなことよね」と私が言うと、「病院食で栄養不足起こすくらい動いているってことでしょ。いい事じゃない。足りなかったら、木曜日に持ってくるから、連絡して」と娘。
それから、家の用意の話とかをして、しばらくすると娘は帰って行った。
持ってきてくれたお菓子は、名産品で結構値の張るもの。こんなもの従業員全員に配るとはすごい会社だと思いながら、夕食後から早速頂いた。
変な話だが、体に力が戻ってきた気がする。骨折だけであとは何も障害がないのだから当たり前なのだが、食べるということはこんなに大事なことかと痛感した。
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