月曜日入院一週間目
朝から普通通りと思っていたら、9時前になって看護師が「主治医の診察があります」と言ってきて体を左向横向きの体位にして、「診察が終わるまでそのままで」と言って出て行った。私はベットの手すりを握って耐えたが医者が来るまでがとても長く感じた。
しばらくして主治医がやってきて傷を見て「化膿していないし、きれいについてるね。いたみはどう?」と聞かれ、私は「傷の痛みは感じないです」と答えた。「切ってるから痛みはあると思うけど、少しづつ軽くなるから。リハビリ頑張ってね」と言って病室を出て行った。医者が出ていくとようやく仰向けに戻り私は一息ついた。
佐々野さんがやってきて、「リハビリに行きますよ」と車いすに乗って例のバーまで行き何往復か歩いた。
病室に戻ると尿を取る管を抜いた。「いつまでもつけておくわけにもいかないし、ポータブルのトイレでするようにしないとね。これもリハビリ」と言って看護師にポータブルトイレを持ってこさせてどうするか説明した。
「トイレに行きたくなったら、コールで看護師を呼ぶ。看護師が来たらベッドの手すりを握りながらゆっくり立ちあがる。看護師に下着を下ろしてもらってポータブルに座って用を足す。終わったら立ちあがって拭いてもらい、上げてもらってベッドに戻る、いいかなやってみましょう」と言われ、私は看護師に手伝ってもらって一連の動きを実践した。看護師に負担がかかるし恥ずかしいと思ったが今はそれくらい動くのが精一杯なのでしょうがないと思った。
「ところで何か困っていることは無い?」佐々野さんが私に聞いた。
「足がかゆくて」と私が答えると、佐々野さんは裾をめくって状態を確かめていた。
「赤くなってるわね。あせもかしら?」と佐々野さん。私が「私自分の汗にかぶれるんです。左足の補助具も、両足の血流をよくする機器もなんだか近頃かゆくって」と言うと、佐々野さんは「パジャマにした方がいいかな?それと機器を外せないか主治医に聞いてくるね」と言って部屋を出て行った。
しばらくして戻ってきた佐々野さんが「寝間着はパジャマで、両足の血流を促進するための機器は外す許可が出ました。左の補助具はリハビリの時だけでいいそうです。
外す代わりに足首を曲げる運動を寝ているときもして血流がとどこおらないようにするようにとのことでした」と言った。私は少し安堵した。
看護師がパジャマを持ってきてそれに着替えた。両足につけられた器具も片づけられ、私は少しベッドの上で体を動かすのが楽になった。
「色々ありがとうございました」と私が佐々野さんに向かって言うと、佐々野さんは
「今日のリハビリの進み具合から自分でトイレに行けそうだし、あせもは悪化すると手に負えないから、明日ぐらいから次の段階に入るから」と言って部屋を出て行った。
後から知ったのだが、佐々野さんはこの病院でもトップクラスの理学療法士で関節リュウマチの持病を持ち、先月骨折しているということで私に就くことになったようだ。
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