一般病棟へ

金曜日、午前中に一般病棟に移動した。この病院は全病室が個室で、有料と無料がある。私は無料の病棟に移動することになった。


ベッドの下に荷物を積み持てないものは看護師さんが持って引っ越しとなった。

ベッドごと部屋に入り設置ロック。何かあったらとコールのボタンをそばに置き、左サイドに楽飲を置いてくれた。


そして看護師からの説明。「朝8時朝食。12時昼食。18時夕食 21時消灯です。食べ物のアレルギーとかどうしても食べれないものとかありますか?」と聞かれ

「アレルギーは無いですし、大体のものは食べれます」と答えた。

「それでは普通食で出しますので」と看護師が言った。

そして私の両方のふくらはぎに器具を取り付けた。スイッチが入ると膨らんで締め付ける空気が抜けると緩むその繰り返し。「下肢の血行を良くするためにつけてもらいます」と看護師は言った。寝たきりの状態なので血流が悪くなり血栓などを防ぐためのものなのだろうが、私は本当に動けなくなってしまった。それにモーター音がうるさい。動けるようになるまでの辛抱だけど・・・・。


それからしばらくして、理学療法士が二人やってきて「明日からリハビリのお世話をする佐々野です」「石山です」二人で「よろしくお願いいたします」と名乗った。

私は「こちらこそよろしくお願いします。明日からって、まだ全然動けませんけど、早く始めなくてはいけないのは解りますが」と言った。

佐々野さんが「徐々に体の具合を見て進めるので大丈夫です。木村さん確認したいのですが、関節リュウマチを患っていて、先月左足くるぶしを骨折したのは本当ですか?」と問うた。

私は「はい、その通りです。左足くるぶしの方はほとんど繋がっています」と答えた。

佐々野さんは「主治医の方から左足の補助具を付けてリハビリをするようにと言われています。右が使えないうちはどうしても左足に負担がかかりますからね。明日持ってきますね。明日は二人できますから」と言った。

「解りました」と私は答えた。その答えを聞いて二人は病室を出て行った。


4階の一般病棟に移って感じたのは病棟内がうるさいということ。患者が病室から出歩いているのか何かしら物音がしている。コールも頻繁に鳴る。

それは食事の時間が近づくと頻度が増した。

患者の喚き《わめき》声、それをいさめる看護師の声。4階は私のように術後すぐの人とか、何かしら問題があり世話のかかる人がいるようだ。昼間だけだと思っていたが21時の消灯になっても収まらず夜通し続いた。うるさくてなかなか寝付けず眠ったと思ったらまた起こされの繰り返しだった。

朝方になって6時ごろから「飯はまだか」とか、「トイレ」とか色々な声が病棟に響く。コールも鳴りっぱなし。『これが毎日続くのか私は患者だからいいけど、看護師たちは大変だ』と思った。改めて看護師の方々の大変さを実感した。


ナースコールについて、看護師が女性だった時の名残ですので、只コールと書きます。今は男性がいるのが当たり前ですから。


このころから、コロナの感染が広がりはじめ私の住む地域でも別の病院で院内感染が起きたり、クラスターの発生があったりしたため椿ヶ丘総合病院でも対策が取られることとなった。そのため面会が謝絶された。



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