第2話2週間後の通院

娘に支えてもらいながらどうにか暮らして、足の痛みも徐々に引き動くのも楽になってきた。

2週間後山下外科に診察に行った。

医者は「動けるようになったかね?」と言われたので、私は「だいぶ楽になりました。まだギブス外せませんか」と聞いた。

医者は「いくら何でも2週間では無理だよ」と言ったのだが、私は「ギブスの中で足が動く感覚があるんですけれど」と答えた。それを聞いた医者は「それならレントゲンを撮って見よう」と言い、先日と同じようにしてレントゲンを撮った。

出来上がったレントゲン写真を見た医者は「繋がっている。信じられない。君、骨破細胞こつはさいぼうの働きを抑える薬を飲んでるの?」と聞いた。

「いいえ、飲んでませんよ抗リュウマチ薬は飲んでますが」私がそう答えると医者は「そんなはずはない」と何やらぶつぶつ言っていた。


補足すると骨というのは骨を破壊する骨破細胞こつはさいぼうと骨を作る骨芽細胞こつがさいぼうの働きによって常に生まれ変わっている。通常は両方の活動のバランスが取れているのだが、私の持病である関節リュウマチでは骨破細胞こつはさいぼうの働きが促進され骨芽細胞こつがさいぼうの再生がが追い付かず骨がもろくなりやすい。骨折したのもそれが原因の一つと思われるし、こんなに早く繋がるはずはないと医者は考えていたのだろう。


医者はしばらく考えていたようだが、「ここまで治っているのならギブスを外して圧迫包帯で大丈夫そうだね。ギブスを外そうか」と言って看護師に準備を命じた。

診察室のベットに私が上がると医者は大きなはさみのようなものでギブスを切り始めた。ギブスが外されると医者は直接くるぶし付近を触って状態を確かめていた。

「これなら大丈夫でしょう。圧迫包帯でしばらく固定して無理しないように。お風呂も入っていいですよ、用心はするように」と言った。看護師が左足をきれいにすると、圧迫包帯の巻き方を教えてくれた。

ギブスがなくなり足が軽くなって松葉杖を使わなくてはならないがずいぶん動きやすくなった。

会計を済ませてタクシーで家に帰った。


それからは徐々にできることを増やしていった。重力をかけた方が骨が再生しやすいので無理のないように左足も使った生活。だが、慣れてくるうちに油断が生まれ、後に入院するような大けがをしてしまうのだが・・・・。

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