第23話 「逆に分からん!」ってなった話

 本日私は通院を主に所用の為フェリーに乗って本土へ来ています。

 さて、フェリーに乗り込む時のこと。

「もう仕事の嫌んなって逃げるとね」

 背後から突然です。話しかけられました。

「え? は? 誰?」

 心の声ではありません。実際に口をついて出た言葉です。

 身長は私よりほんの少し低いくらいの大きな男性。白髪混じりのもじゃもじゃ天パ。

「分からんね? ほら」

 マスクを取られても見覚えなし。

「えー?」

 全くピンと来ていない私にとうとう相手は名乗りました。

「〇〇(地域名)の〇〇(名前)よ」

「あー! 帽子かぶっとらんけん、いっちょん分からんかった」

 なんと、お客さんでした。

 そう。マスク外して顔を晒されても分からなかったのに、もじゃもじゃ頭に手をかざして視界から外すと見覚えのある顔になるという。

 プロ野球選手でもよくありますよね。帽子を取ったりユニフォームを脱ぐと誰かわからないってやつ。それが起きたわけです。

 ミステリーでもこの手のトリックというか先入観のワナはよく使われますよね。

 それにしても、私の方は少々顔隠れていようが、服装が違おうが、すぐに分かられちゃうんですよね。

 良いのか悪いのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る