第5話 光回線がない宇久島! ネット環境はどうする?

「インターネット回線さえあれば、どこでも仕事ができる」

 ワーケーションなんて言葉の相棒のように横に並ぶセリフ。


 宇久島にもネット回線はある。固定回線としてADSLが。

「あれ? ADSLってサービス終了するのでは?」

 その通りですが、「光回線が整備されていない地域を除く」という但し書きがあるのです。

 先日、離島に住む釣り系ユーチューバーの方とお話しする機会を頂きましたというか、話する機会が得られる場所に行きました。大阪フィッシングショーですね、うん。

 で、いくつか質問にも答えてくれたりしたのですが、ネット環境について「動画のアップロードに1.5~2時間かかる」というではないですか。

 それは大変ですね。


 宇久島にも、光ケーブルを敷設するチャンスはあったんですよ。

 で、光ケーブルが必要かどうか、住民にアンケートをとったんですね。

 ただ、そのアンケートがとられた時期は、インターネットはパソコンで接続するもの。スマート家電なんてない時代。

「インターネットを今後使いますか?」

 という設問に、パソコンも持たない高齢者が「はい」と答えるはずもない。

 インターネット=WEBページ閲覧orEメール("E"メールなんて久しぶりに言ったわ)送受信くらいの認識しかない時代に。


 そして、現在に至るまで光ケーブルは来ておりません。今回の電力ケーブル敷設に便乗して光通信ケーブルも引くかもしれませんが。


 でも、私は今ネット環境が必要なのです。モバイル回線のデータ通信だけでは心もとない。だって、ネトフリだのNHK+だのTVerだの使いまくってるもの。YouTubeもね。

 もし、住む場所が持ち家だったとしたら、とりあえずADSLっていう遺物のような回線を楽しむてもあったでしょうが、私は寮住まい。

 さあ、私は携帯通信各社がサービス展開する「コンセントにさすだけ。工事いらず」な、モバイル回線を使用したWi-Fiルーター機能付きのサービスを使えないか調べました。


 とりあえず私はソフトバンク系回線のユーザーなので、ソフトバンクエアーのサービス提供エリアをチェック。

「サービス提供エリア外です」

 ……チッ、九州にプロ野球チームを持つくせに。


 auホームルーター5Gは?

「サービス提供エリア外です」

 ……島には三太郎も姫も居ないのか。雰囲気的には居そうなのに。


 どぅもばいるこみゅにけーしょん!

 最後の砦。

 docomo home 5G!

「4G回線でのサービス提供となります」

 いえーい。良かったよ。

 docomoって、ポケベル時代から使ったことないけど。初めましてです。


 てくてくてく。

 お近くのドコモショップにお出かけです。

 聞きたいことは、エリアの再確認と、万が一接続できなかった時のキャンセルについて。

 来店予約していなかったので、待たされることを覚悟していましたが、受付カードの発行の仕方が分からず発券機を眺めていると「お伺いしていますか?」と既に対応中であるかどうかの確認で、女性店員から声を掛けられた。

「home 5Gのエリアを確認したいんですけど」

 と、住所を告げると手持ちのタブレットで私が既に見ていたdocomoのサイトで確認。いやいや、それは見たのよ、と思いつつ好きにさせる。

「4Gですけど使えます」

 うん知ってる。つまり、その地図はそれだけの信頼性があるのね。

「万が一使えない時のキャンセルってできます?」

「8日以内キャンセルというものがございますが……。少々お待ちください」

 はい、この「少々」が長かった。

 私はそのキャンセルできる条件とか聞きたいだけなの。

 でも「8日以内キャンセル」という言葉が聞けたので、スマホで検索。うん、よくわかったよ。もういいよ。そんなに待たせなくても。。。


 待つこと一時間と少々。

 おいおいおい、待たせすぎやん。その間は全くの放置。凄いな、ある意味。ただ静かに待つ私も凄いけど。

「お待たせしました。こちらへどうぞ」

 と、席に案内され、いかにも携帯ショップの店員です、という感じの男性の前に着座。

 ああ、これは契約を迫られるな、と直感。まだ転居はこの時点で一か月先なのに。


「home 5Gをご検討ということですね?」

「はい。で、サービスが受けられなかった時のキャンセルについて聞いていたのですが」

「使えますよ。大丈夫です」

「はあ」

 あ、こいつダメな奴だ。そう思いながらも暇なので話を聞く。

「転居は一か月後なんですが、契約したら、利用の有無関係なく、すぐに料金が発生するんですか?」

「そうですね。そうなります」

「契約だけ先にして、端末を後で郵送してもらうとか」

「できないですね」

 不便やのう……。

「じゃあ、また転居前に来ます」

「在庫があまりないのですが……」

「あら、そう。うーん、このショップで契約するメリットって何か私にあります?」

 この質問の答えに約2秒の

「今なら一万円分のポイントが付きますね」

「あっそうですか」

 私は知っていた。docomoのオンラインストアで契約すると、一万五千ポイントもらえることを。しかし、この店員は当然そんなことは言わない。

「じゃあ、また転居前に来ます(来る気ないけど)」

「あの、そのポイント付与が今月で終わる可能性が高いんですよね。端末の取り置きだけでもしておきましょうか?」

 言いやがった。言ってはいけないことを言いやがったよ。ポイント付与が終わるなんて嘘、見え見えなんだよなあ。


 私もそこそこ営業経験があるので、分かっています。客に考えさせちゃダメなんです。即決が基本。こういう「過去の強引な営業スタイル」での話ですが。


「取り置きは結構です」

「では、また月末前にお電話差し上げますので、ご連絡先をお教え願えますか」

 私は教えました。名前と電話番号。

 そして帰宅してすぐに、docomo本社へ連絡。

 ドコモショップ王寺店での対応を報告しましたね。そのうえで、docomoのオンラインショップで契約しました。

 まあ、オンラインショップのコールセンターの対応が丁寧且つ気持ちいいこと。

 私に不利益が出ないように、事細かく開通までの損しない方法と、万が一のためのキャンセルまでの流れと、分かりやすくテキパキ声だけで教えてくれるの。凄いね。


 そうそう、ドコモショップ王寺店からは、連絡きませんでした。ちゃんと本社が指導に動いたようです。


 今回は私だったから良かったけど、情報弱者を食い物にする営業は辞めて欲しいですよね。

 でも、私はある種、携帯ショップって面白いので好きです。


 ★次回「『移住者募集! 移住をサポートします!』とは言うけれど」

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