第18話 鬼八の狙い
そこまで思い返すと、鬼八はそっと隻眼を開いた。
「あの時、
罠が仕掛けられていると解っていて何もできなかった自分に鬼八は歯軋りしたものだ。
だが、ここに来てある推測が成り立った。
お涼は俺たちの目の前で烙印を押され崖から落とされた。
この目で見てたんだ、そこは間違いねぇ。
だが、それが狙いだとすれば?
お涼を里から逃がすため、頭が仕組んだ茶番だとすれば?
お涼に任務を与え、それがしくじりだと嘘をつき、処罰をしておいて
なんのため……お涼を里から逃がすため。
なぜ……お涼が特別であるがゆえ。
頭がお涼を特別視すると言うことはつまり、お涼が実の娘であると言う噂が
鬼八はお涼の姿を瞼に浮かべる。
黒い髪に陶磁のようなあの肌、くノ一としての高い身体能力……その上、あやめ様の娘でありながら、里長直結の血筋だと?
欲しい。
なんとしてもお涼を手に入れ、俺が次期里長となり、戸隠の名を全国に轟かせてやる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます