第23話、決着と
そして、戦いに
「俺達の、
「やれやれ、負けた負けた。くっやしいなあ」
そう言って、
僕の背後には、
道化師は心底楽しそうな顔で、今度は
「楽しかった。
それで終わる。そう道化師は
倒すべき相手として
そんなつもりは、更々無かった。
けど、事此処に至ってはもうそれで終わらせられる
……もう、こいつ等を殺さなくてはならないのか?
そう、思っていると―――
「なら、私が二人の命を
声が聞こえてきた。振り返ると、其処にはスナック『口裂け女』の
翔子さんは、火の海を一切気にする素振りを見せずに
以前、翔子さんから道化師と知り合いだとは
「…………一体何をしに来た?こんな俺を
「そんな
「……………………」
翔子さんを前に、道化師は何時ものふざけた
そして、そんな道化師に翔子さんははぁっと深い溜息を
「呆れたわ、本当に貴方は私が何のために此処へ来たのか
「……何を?」
「私はね、貴方を
「……………………」
「私はね、貴方を
「
そうね、と翔子さんは言った。けど、それでも翔子さんはそっと口元のマスクを外して耳元まで裂けた口元を
「本当はね、私は貴方に死んで欲しくないだけなのよ。もっと生きて欲しい、ただそれだけの話でしかないの」
「どう、して……?」
「分からない?私にあれだけの想いを
「……………………」
ついに、
自動的に道化師と翔子さんは見詰め合う。翔子さんの瞳は、
「以前、私が迷惑な客に
「……ああ、そんな事もあったネ」
「その時、貴方は偶然私の
「……ああ、でもそれは其処にいるヤマトだって同じ筈だろう?」
「ええ、でも貴方とヤマトでは決定的に
「……それは?」
そっと、そのまま翔子さんは道化師の首へ腕を回し
正直、こんな道化師は初めて見た。僕の知っている道化師は、何時も愉快犯的に迷惑と混乱を振りまいているイメージだったから。
「貴方は、世界の全てを
「…………それは」
……そうだ。僕と道化師の違いは
それと比べ、道化師は
「でも、同時に
「……………………」
「貴方が、愉快犯的に
「……そうだよ」
「だから、私は貴方を自分の
そんな彼女に、道化師は今度こそ降参したように笑みを浮かべた。
「……
「ああ、分かったよ。
そう言って、死神は笑った。
……こうして、今回の事件は無事に
本当は、皆道化師や死神が生きている事を快くは思っていないだろう。二人を処断する事を望む声だって大きかった筈だ。
けど、そうはならなかったのは翔子さんの
……それを言ったら、何故か翔子さんからは僕のお
何故だ?
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