第21話、生きる理由
「あははははははははははは!あはははははははははは、ははははははは!」
背後で、メリーさんが
嗤っている。狂ったようにフードの死神が嗤っている。道化師も嗤っている。
口からごぼりと大量の血を吐いた。どうやら
戦いにすらならなかった。最初から、力の差が
首を
嗤う。それでも嗤う。道化師と死神の二人が嗤っている。その声も、もう遠くなってきた。そのまま、僕は背後に居るメリーさんへと
僕を抱きかかえ、メリーさんが何かを言っている。アキさんも、涙目で僕に何かを叫んでいる。けど、何を言っているのだろう?
……何も、聞こえない。
寒い。寒い。ああ、僕はもう死ぬのか。もっと
でも、それももう終わる。此処で終わる。
———ああ、何て
そう、全てを
『———貴方には、生きる
声が、聞こえた。この声は……
そう、この声を僕は知っている。この声は、昔僕が初めて異世界に
気付けば、其処は光に満ち
———
『此処は、貴方の精神世界です。少し貴方の
———精神に干渉?僕は、
『今はそんな話をしている
———力?
僕の疑問に、女神様は微笑みながら僕へ手を差し伸べる。その手に
『あの道化師と死神、彼等を倒した後で
———…………分かりました。では、また後で。
次の瞬間、僕の精神世界から女神様が消え去った。どうやら僕の精神への干渉を止めたらしい。気配すら感じない。
メリーさんとアキさんが、僕を
だから、僕は女神様の言った通り
———そうだ、僕はまだ生きたいんだ。まだ、二人ともっと遊びたいんだ。
だからっ‼
・・・ ・・・ ・・・
「ヤマトっ!ヤマトおっ!」
私は、
その
アキも、ヤマトに
既に、私達に
そんな私達を、嗤いながら眺めている二人。そんな事すら気にならないくらい、私達は絶望していた。ヤマトを失った事が、私達の心を打ち
そうだ、もう認めるしかない。私は、私達はヤマトの事が大好きだったんだ。
彼一人を愛してしまっていたんだ。だから、彼を失った事がこうも
———‼
「…………え?」
瞬間、私の脳裏に一柱の女神の笑顔が
———ヤマトを
「…………っ」
私は、ぎゅっと口を引き結んでヤマトをそっと抱き寄せた。そして、ヤマトの顔をそっと私へと寄せて……
そのままヤマトへ
瞬間、ヤマトを中心にして強烈な
そうして、其処にありえざる
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