第二話

二時間も正しい体勢で跪いて、一文字でも言い間違えをようものなら叱ってくる。

姉上には人の心がないのだろうと思うくらいだった、まあ姉上に悪意がないのはわかっているのだが。


僕以外の兄弟達もマナーや衣装など必死に準備していた、というのも建国祭が一か月後に控えていた、そのため今の内にマナーを叩きこまれている。

僕の国ノースエストでは、建国祭とは三年に一回行われるお祭りである。

王国にいる貴族が一斉に王都に集まる、僕も当然貴族のためパーティ等に行かなければならない。


それに加えて僕は前日に狩猟をしそれを神と国家に奉納するという行事がある。

狩猟祭と言われるものにも出席しなければならない、狩猟祭は10~30歳までの男性貴族が対象となる。

当時9歳だったためそれには参加しなかった。今回は12歳となったので狩猟祭に参加することが決まっているので狩りの練習もしている。なのだが悲しい事に弓の才能がまるでない。


立ってるだけの的に当てるのにも10程の矢が必要のがなんとも悲しみを感じる所だ。


一応剣などで獲物を倒してもいいのだが、返り血の事を考えるとこれまたよろしくないし、弓で獲物狩ろうという祭りでその手段はあまりにも無粋だと思う。


それにこの狩猟祭は僕一人というわけではなく、知らない貴族とペアを組まされるのだ。弓術は貴族の嗜みと言われるように、この狩猟祭でも優雅に獲物を狩るというのが重要なのだ。


二人でペアを組む理由は王国を立ち上げた二人がいた、その二人は狩猟している間に偶然出会った。その当時差別を受けていた、不死族の状況を思う事がある二人は意気投合し国を作るに至った。その二人こそがノースとエスト。そのためにノースエストという国名を付けられたわけだ。

その逸話に準えて狩猟祭というのが開かれるようになった。


そのために僕はは今弓を猛練習している。今はどうしても力を入れすぎて弓自体が壊れてしまう事が多い。


僕は力加減がとても苦手だ、金属製以外の食器は油断するとすぐ壊われてしまう。最近は力の調整ができるようになってきて、食器をいきなり割るという事が少なくなっている。だがどうしても弓のような、力を入れるとき入れない時など調整が必要なものに関しては未だに難儀している。


狙いを定めそして矢を射るが明後日方向に飛んでいった。

また矢をつがえ打つがまた明後日の方向に行く。動物を


「お坊ちゃま、やはり貴方には弓の才能が欠片ほども無いようですな」


老執事があきれ果てながら呟く。


「いっそ弓を使うのやめた方がいいのでは?一応弓で仕留める意外でも問題ないね?だったら弓以外使えないかな。例えば投擲物とか?」


「まあ一応獲物を狩ればいいので問題はないのですが、この狩猟祭では護衛を付けずに2人だけで行います。護衛がいないので暗殺の絶好の機会だと思う人間も少なくない。そのためナイフのなどの刃物の持ち込みなどはかなり制限されております。その上で投擲物を持っていくなら何も言わないですが。」


まあそれで投擲物を持っていくのは愚者のする事だろう。


「頑張ります。」





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