不死落ちと蔑まれた僕が自由に生きれるようになるまで

白虎

第一話

大きな大聖堂そこの中央に僕は立っていた。

これは神聖な儀式だ、不死の同族かどうかの証人をきちんと立てる、これが儀式には必要不可欠なのだから。

僕は家族に見守られながら。

指にナイフを当てる、血が滴っていく。

そして一秒二秒三秒と時間が経っている、僕にとっては長い沈黙だった。

一分経った所で打ち切られた。

続々と見守っていた人たちが部屋から出て行った。


僕ヴァン・ウォールライトは不死堕ちの烙印を押されたのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ヴァン様聞いてますか?」


老執事が呆れたように聞いてくる。


「・・・何分くらい寝てた?」


「十五分程ですな。いくら勉強が苦手と言っても、もう少しかんばってほしいものです。」


「まあ善処するよ。」


勉強は別に嫌いではないんだけどなんというか授業となると眠くなってしまう、自習は全然眠くならないんだが。


「まあいいでしょう。今日は勉強はこれで一旦終わりにしましょう、来週のパーティのためのマナーの勉強としたしましょうか」


僕は睡魔に耐えながらも真面目に授業を受けるのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あの後寝た腹いせと言わんばかりに厳しくなった。


夜が明けて今は朝で授業が一区切りついた、自室でだらだらしていると。

僕はこの家で無能だと思われている。それを否定するつもりもない。


僕の一日は早朝日が出る前に起きて朝食を食べて勉強などをこなし。朝から昼はだらだらと過ごすか寝る、その後夜に修練をしている。


なので家族には鍛錬をサボってる姿がよく見られるため。程よく無能だと思われてる、僕はできればほどよく無能になりたいと思っているのでちょうどいいと思っているが。


そんな感じでだらだらすごしていると部屋にノックの音が聞こえたとりあえず扉を開ける。まあなんとなく誰かわかっていた、というのも僕の部屋を訪ねてくる人物は一人しかいない。


「またさぼっているのか。ヴァン」



その女性は整った顔立ち眼鏡をかけていて、いわゆる美人と言われるタイプである僕の姉であるアリシア・ウォールライト。さすがウォールライト家の次期領主と言われているだけあってまだ十六歳であっても風格を感じる。


今は領主であるアズウェル・ウォールライトに代わって今は当主代理をしている、領主代理仕事も当然のようにこなしている、それに加えて勉強と魔法の訓練もしている。そのためあんまり時間がないはずなのだが。


「まあ僕は所詮落ちこぼれなので、こんな感じでも許されるんですよ姉上」


一瞬怪訝な顔をしていた。姉上が少しでも感情を出すとは少々珍しいと思いながらも話が続ける。


「少々心配していたのだ、お前は狩猟祭に行くのだろう、マナーなどは大丈夫か不安になった、なので私が教えてやろうと思ってな」


姉上は僕の事を気にしていたのだろう。


「姉上少しお腹が痛くなってきました。少しトイレに行ってきたいのですがよろしいでしょうか?」


わざとらしいリアクションともいかにも大袈裟な感じで腹痛をアピールをする。


「ふははは、素晴らしい冗談だな。私からのアドバイスだがもう少し理由はちゃんとつけた方がいいぞ。お前も腐っても貴族なのだからな」


そんなことで回避できるわけもなく無理矢理連行されたのだった。


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