現代編7
あなたは子供を助けようと駆け出した。あなたの指先が子供の肩にかすかに触れる。あと一歩踏み出せばこの子供を引き戻せるが、トラックがすぐそばに来ている。
そのためあなたは、地面を蹴り飛ばす。身体を捻ってようやくあなたの片手が子供に届く。あなたは服を目一杯引っ張って引き戻す。なんとか助けることができたようだ。
しかし。
あなたの視界が鉄の塊で覆われる。あまりにも至近距離であったため鉄の塊のように感じたが実際はトラックの前面部分だった。そんなことに気づいても、もはや逃げることはできない。唐突な死の訪れに頭の中が空っぽになる。トラックはあともう少しであなたに接触し、衝突し、死を与えるだろう。
あともう少しで触れる。
あともう少しで。
触れる――。
瞬間、視界が真っ白に染まる。
世界の音が急激に大きくなったと思ったら、すぐに小さくなった。無音になるにつれて意識の糸はほどかれていく。
【あなたの意志を示せ】
・抗う
https://kakuyomu.jp/works/16817330653854002876/episodes/16817330658273222614
・死を受け入れる
https://kakuyomu.jp/works/16817330653854002876/episodes/16817330655223341072
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます