3月7日(火)

 首を寝違えた模様。左側が向けないのですが、職場では左側に同僚が位置しています。どうしたものか。

 晴れて暖かい。花粉が飛んでます。ムズムズする。春です。同じムズムズなら恋っぽい、甘酸っぱいムズムズがいいなと思う朝です。


 F-1の話をします。

 開幕戦、なかなか面白く観戦しました。何しろ「今年もレースが始まるぞ!」というワクワク感を金曜フリー走行から味わい始め、土曜の予選で「今年も面白くなりそう!」という手ごたえがあり、からの決勝レース。とにかく開幕してくれて嬉しいです。

 私がF-1を見始めたのは、フェラーリが強くて強くて、強すぎて面白くないと言われている辺りの頃でした。

 深夜残業を終えてアパートの部屋に帰り、何か軽いものをお腹に入れつつテレビを点けると自動車レースが放送されていて(遥か昔、F-1は地上波放送されていました)、観るともなく視界に入れながら過ごしておりました。

 表彰台で赤いレーシングスーツに身を包んだ人がアホみたいに喜びながらシャンパンをかぶってて「へー。何かこれすごい世界だ」と思ったのでした。

 それから少しして、また深夜残業から帰宅してテレビを点けたらレースがやっていて、またかと思いつつも何となく観ていたら前回と同じ人がまた表彰台の真ん中に居て、狂ったように喜びながら仲間にシャンパンをかけておりまして。

 そうやって何度か観ているうちに、ヘルメット被って死ぬほど鋭い目付きでハンドルを握っている人と、シャンパンを浴びて馬鹿騒ぎしている赤いレーシングスーツの人が同一人物だと知って驚き、結果を追うようになり……それが、跳ね馬の皇帝ことミハエル・シューマッハだったのでした。


 それからしばらく(日本列島がユーラシア大陸から切り離されて更に自らも二等分し、その隙間に滞留した土砂がフォッサマグナになり、ひいては日本列島が誕生した)経って、お見合いする事になった私は見合い相手と二回目のデートで本屋に行きました。

 旅行ガイドブックのコーナーなど見つつ「旅行に行くならどんな所が良いですか?」など、ふんわりと相手を探る質問をお互いに繰り出していた訳ですが、相手がふとバーレーンのガイドブックを手に取りました。

 つい、「この砂漠の中にサーキットがありまして……」と発言したら、相手が目を丸くして「俺、レースのこと話したっけ?」と言い、私が「……ライコネン、酒癖悪いよね」と答えたもので、そこから二人で意気揚々とモータースポーツ雑誌のコーナーに移動して、まぁ、そんな流れを経て結婚したという。

 どんな所にどんな縁が転がっているか分かりませんなぁ、というお話でしたとさ。

 どうでしょう。ムズムズ、しましたか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る