第11話 まずは、7号車の日本食堂ビュフェへ

 切符は渡辺君が用意してくれまして、うまく隣合せになりました。

 でもって、まずは喫茶店で少し打合せをしましてね、いずれ経費で精算するとはいえ、まずは立替分を渡辺君にお支払いして、それから、おもむろに高架の大阪駅のホームに上っていきました。

 彼、鉄道ピクトリアルなる雑誌をお持ちで、かねて情報を得ておられました。

 なんせ、御丁寧に大阪に寄った折に新大阪ホテルと日本食堂の営業所に赴いて、急行の寿司の担当号車まで確認しておられたようでね。

 まあ、ようやりますわ、彼も。


 さて、5月も半ばでしかも平日でしたら超繁忙期というほどでもありませんで、立客までが出るなんてことはありませんでした。

 暑くなってくる時期ですから、暑がりの人は二等車でもいいから冷房のある特急列車に乗られているようで。こちとら急行とはいえ一等車、リクライニングシートもついておりますからな。ただ冷房がない。これは痛いが、まあ、そこまで暑い時期でもないし、まあ、エエか、ということでね。


 それより何より、「寿司」や、寿司!


 というわけで、大阪を出て今の新大阪あたりを通過しよる頃にもなれば、私ら、さっさと指定席に荷物を置いて、まずは、1両前の7号車の日本食堂がやっておる寿司コーナーに参った。

 丁度車掌さんがおられたから、検札がてらに切符を見せておいたよ。


 14時も過ぎたとなれば、昼飯時はおおむね外れておるから、この時間に混むことはあらへん。

 しかもこのビュフェ、いち早く冷房が付けられておった。ただこの日はそんなに暑くない日だったし、列車自体が混んでいないこともあってか、送風が入っていたくらいだったようや。

 さて、ここで私ら、何を食べたものかとなったが、もう、迷わず上にぎりや。特上はあえて外した。あとのことを考えて、な(苦笑)。もちろん、まだ酒なんか飲まんよ。一応、これも取材や、ってことにしとこ(苦笑)。


 ところで、食堂車の食事は高くてまずいと言われることが、ままありますな。

 それでも、外食機会の多い私なんかに言わせれば、おまえらその辺の食堂や喫茶店の基準でしか物が見られんのかこの「アホども」がと。その一言に尽きますな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る