第41話 立てこもり犯・羽場狩雄の想い出

 ここは休み時間の小学校。そして、トイレ。三名の男子生徒が閉じた個室のドアを思いっきり叩いたり蹴ったりしていた。

「狩雄、クソしてんじゃねえ!」

「狩雄じゃねえよ、下痢雄だよ!」

「下痢雄! 下痢雄!」

 個室の中には、和室便器でしゃがんだ体勢の羽場狩雄少年がいた。クラスメートたちにバレてしまい、焦りながら。

 いきなり、個室の上から撮影された。

「やめてよ!」

 狩雄少年は顔が写らないよう、手で必死に遮った。

 さらに上から、トイレットペーパー、雑巾、モップ、バケツ、ラバーカップなどが次々と放り込まれてきた。極めつけは、ホースからの放水がシャワーのように降ってきたことだった。

 狩雄少年はひたすら涙を堪え、ずぶ濡れになりながら、下半身を丸出しにして小さくうずくまっていた……。


                (続く)

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