第30話 ミッドナイト・テレビショッピングはレアものばかり

「真夜中のテレビショッピングのお時間です!」

 司会の男性がコールし、女性司会者が商品の紹介を始める。

「まずはエントリーナンバー一番の商品です」

 普通の服を着た女性モデルが現れる。

「一見、何の変哲もないように見えますが、実はこうなるんです」

 モデルがズボンのファスナーを下げる。ファスナーはそのまま股間をくぐり抜け、尻の上部まで引き上げられる。モデルがしゃがむと、パックリと股間が開く。

 男性司会者が熱弁する。

「大小兼用のファスナー! 何かと忙しい現代人には、うってつけの商品です!」

「それではエントリーナンバー二番を見てみましょう」

 素っ裸の男性モデルが現れる。前も隠さず、モロに露出している。ただし、陰毛があまりにもフサフサのため、男のイチモツが毛の中に隠れてしまっている。

「深夜とはいえ、こんな映像、流していいのでしょうか!」

 モデルがクルッと背中と尻を向けると、手を陰部にやり、何かゴソゴソとやり出す。その手をサッとかざすと、先ほどのフサフサの陰毛がある。

「カツラ……」

「アンダーウィッグといいます。これからは下半身もお洒落にいきたいですからね。付け外し簡単、さまざまなタイプをご用意しております」

 陰毛ウィッグの乗ったワゴンが登場する。

「パンチパーマ、アフロヘア、ポニーテール……それにカラフルなカラーもあるんですね」

「それでは最後の商品、エントリーナンバー三番をご紹介しましょう」

 彫像が二体、運ばれてくる。小便小僧のようだが、ひとつはしゃがんだ女の子、もうひとつは立っている中年の男である。男のほうはアレも立っており、手でしっかりと握りしめている。

「こ、これは……」

「名付けて、『小便少女』と『小便親父』!」

 勢いよく水が飛び出す。


                (続く)

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