第16話 ざまあみろ
やたらにおかしかった。面白くて堪らない。でも歯形の残る醜い全身を見てちょっとだけ涙が出た。
地下1階北西の1室で意味もなく笑い続けた。カーテンにくるまってみたり,柱時計に体あたりして弾かれてみたり,部屋じゅう駆け回ってみたり,ベッドのマットレスをトランポリンさながらにジャンプしまくってみたりと,めちゃくちゃに大暴れする。
そのうち息切れがして,おまけに激しい腹痛まで加わるものだから,仕方なくおとなしくした。
階上が喧しい。千代田と澤渉とが言い争っているらしい。屋外に車がとまり,ドアの閉まる音が2度して,猛スピードで邸内を出る。
遅刻だ――ざまあみろ!
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