第8話 期限ぎれの求人広告
思わず後退りした拍子に,小脇にかかえた雑誌を落とした。
オールバックが車をおりて,雑誌を拾う。
「へえ,求人広告かい? どんな仕事を希望してるの」
「割のいい,夜のバイトか」
長髪が雑誌を覗きこむ。
あれっと2人は顔を見あわせ,意味ありげな目つきをした。
「……まさか,家事手伝い希望か」
長髪はそう訊いたものの,返事を待たずにせせら笑って,3月初旬に出した求人であることを指摘した。
「1箇月以上も過ぎてるんだぞ。とっくに決まってるって考えないのか。ああ,残念だね。とっくの昔に決まってる」
この2人に関係する求人であることが知れた。とっくの昔に決まっていて幸運だった。あんたたちにかかわらないで済んだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます