第7話 警備員室へと送った男たち

 地下鉄を乗り継ぎ,求人情報の住所表示を頼りに探していくと,漆喰塀の連なりに松の緑のこんもりかぶさる邸宅へと辿りついた。何処まで行っても門扉が見あたらない。

 背後からクラクションが聞こえた。黒のベンツが近づいて真横で停車する。後部座席の窓がおり,オールバックの男が顔を覗かせる。

「君,あれから大丈夫だった?」

 デパートのトイレで,人を警備員室へと送った男の1人だった。運転席のドアがあき,肩まで髪の達する,もう1人の男が出てくる。

「なんだ? なんの用なんだ? まさか仕返しにきたのか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る