第2話 トイレで日本茶
あちこちから食べ物のいい匂いがする。1 9 時の夜行バスに乗る前に ,無人の停留所でジャムパンを食べたきりだ。ファミレスを一つ,ファーストフード店を一つ,コンビニを五つ遣り過ごし,デパートに入り,地下にむかった。若い娘が爪楊枝を差しだす試食コーナーを走り抜け,休憩所を見つけたが,ベンチは既に埋まっている。第一,人が多過ぎる。
自販機で日本茶を買い,トイレに入り,一息に飲みほす。よけいに空腹を感じはじめた。固形物が食べたい。
涙のしずくが眼鏡に落ちてレンズを曇らせた。これじゃ駄目だ。もう1人なのだ。食事ぐらい自分でとれないと……
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