第25話 七英雄の後継者 その6

 私の名前は、ホープ・ドラゴン・ソード。ソード帝国の皇子である。

 国の為、私は立ち上がった。

 7英雄は、転生者の集団で世界を救った事がある。それは立派な存在。

 だが、今は堕落して、個人の利益を追求するだけの集団である。国の言うことに従わず、悪事を行なっている者もいる。

 私には、力がある。無力な存在ではない。

 きっかけは、忌まわしいが妹が原因だ。

 ソフィーと言う異母妹が、5歳の時だった。

 私の兄である当時の第二皇子と一緒に、面会した。

「ソフィー、思いっきりぎゅっとしてあげて」

「はい」

 当時は、人懐っこい子供だった。兄に言われるままに、私の手を握る。

「ぎゃぁぁあぁぁぁぁぁ!」

 結果、私の手は砕かれて、悲鳴をあげてのたうち回る羽目になった。兄は、それを見て大笑い。

ソフィーの怪力、当時から人の域を超えていた。兄が何をしたかったのかは、わからない。

「ライフドレイン!」

 私のスキルは、ライフドレイン。

 相手の生命力を奪い、自分の傷を治す事ができます。兄に掴み掛かり、スキルを発動。粉々に砕かれた手を治すのに、かなりの生命力を奪う必要がありました。

「ライフドレイン!」

 あまりの痛みに、限界を超えてスキルを発動。恨めしい気持ちを込めて、全てを奪い尽くす勢いで、スキルに魂を込めて発動。結果、兄の命を吸い尽くして殺してしまいました。

 国の機関により、詳しい調査が行われました。結果は、継承権の剥奪。

 所属していた、騎士団からの追放でした。死んだ兄は、母親が既に死亡。兄弟はいない血筋だったので、軽めの処置だと言われました。

 我を忘れ、人を殺害。血縁者をこの手にかけてしまったのだ。この処分は甘い物でしょう。これは、母親の血筋が、私の方が上だった結果。自分の能力では無い。


「ライフドレイン」


 闇に紛れ、人知れるスキルを発動。犯罪者は、暗い場所を好む。

 継承権を剥奪された私は、色々と自由になった。護衛が消え、一人で行動できるようになった。だから、人知れず狩ができた。

 継承権がなくても、国民を守るのは皇族の義務。

 元々、情報を扱う一族。悪人の情報は手に入る。ライフドレイン、相手の生命力だけでなく、命とスキルを奪えるスキルへと進化しました。

 スキルの進化、7英は何度もスキルを進化させ、強大な力を得たと聞いています。

 私は選ばれた。

 悪人から、スキルを奪い、更なる存在へと高みに上がる。

 悪人らしく、人を洗脳するスキルを持っていた相手がいた。

 それを利用して、立場を固める。わざとか魔眼を持っている事を広めて、危険人物となる。

 政治の中枢から外れて、仮面を被る。7英雄を打倒して、新たなる秩序を作る。

 その一方、私に恥をかかせた妹に対して、報復する事を忘れない。

 周囲に、危険人物と教え込み、孤立させる。危険人物なのは間違いない。

 その怪力は、国の為に使うべきである。

 迷宮に送り込み、魔物と戦わせる。


 腕に立つ人間を探し、洗脳する。手駒として利用するために、7英雄の元に送り込みむ。

 命のストックという変わったスキルを手に入れた。

 殺した相手の命を、ストックする事はできるスキル。魔物でも、命を奪うことができる。複数の魔物で、ある程度ストックになるので、魔物を倒すことも忘れない。

 ただ、命のストックに回すと、経験が入らない。

 レベルは、100で上がらなくなった。


 ストックがあるから、油断した。

 手駒にしようとした人間に、敗北。

 危険人物と判断。排除しようとしましたが、負けました。

 命のストック、半分失う結果になりました。

 最近名前の上がっている、カエンを洗脳しようとして失敗。レベルが、私より上だったみたいです。

 何度も焼かれました。それだけなく、原因不明で死にました。

 今は勝てない、そう判断して撤退。

 更なる力を求めました。

 時間を操るスキルがある。

 それを知った時、迷いはなかったです。

 孤児院を襲い、スキルを手に入れます。

 悪人では無いですが、世界の為です。私の力になるなら、喜ぶべきです。

 命のストックを回復させ、再戦に備えます。

 手駒の一つが、危険人物を発見した。

 それが、7英雄をを殺す存在らしい。

 それは、私の仕事。

 別の手駒が、捕まったらしい。

 今の私は無敵です。


  流石に、相手は弱く無い。

 何度か、命のストックを失いました。動きも早く、目で追えません。

 危険な存在ですが、私は無敵です。


「時間よ止まれ」


 孤児が持っていた時間系のスキル。あの孤児院は、色々と特殊なスキルを持った子供がいた。今後は、孤児院を中心にスキルを集めるのも良さそうだ。

 私を中心に、周辺の時間が止まる。

 偶然にも、忌まわしい妹がいます。驚いたことに、目的に懐いているみたいです。これは好都合。目の前で、失った時、どう反応するか、楽しみです。

 時間を止められるのは、10秒。その間に、始末します。

 普通の攻撃では、失敗する可能性があります。

 相手を殺す、死の魔法。

 一度使うと、命のストックを失います。普通なら相打ち覚悟で使う魔法ですが、命のストックのおかげで、私は無傷。やはり、私は選ばれた存在です。


「死になさい」


 魔法を発動。世界に光が溢れます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る