第20話 7英雄の後継者 その1
ソード帝国には、7英雄と呼ばれる人物がいます。七つの大罪の迷宮に、一人ずつ配置された強力な人物。
今いる、怠惰の迷宮には、サキヨミのお母さんが担当していました。
動かずに、色々と人を情報で動かす不動のサキヨミ。
敵になっていたら、厄介な人物そうでした。これほどの人物が、死を選ぶとは、敵は強大なのでしょう。
怠惰の迷宮の英勇は現在、空位となっています。それを埋めるために、新しい英雄選考中。自殺したことが極秘事項なので、剪定作業も極秘で行われています。
最近、この街で名前を挙げて入りフレイムの目的は、新しい英雄になることでした。
現在、3名ほどこの街で名前をあげようとしているみたいです。
自称炎の魔人、フレイム。
先代サキヨミの弟子で、暗殺に一役買っている裏切り者のシクヤ。
魔法剣士で、王族に連なるDと言う謎の人物。
7英雄になれば、色々な権力が手に入るそうです。富と財産。これを目的に、先代は殺されたのかと思ったら、理由は違うそうです。
「お母さんは、自分の占いの結果、子供達が殺されたことを悔やんでいました。それ以外に、確定した未来を見てしまったのが原因です」
「確定した未来?」
「私達のスキルは、さまざまな可能性です。最悪だと思える結果も、少しは変えることができます」
「お母さんは、7英雄が半分殺される未来を見ました。誰が死ぬのか詰め寄られ、3人の名前を告げたそうです。3人は変化する。4人目は、自分で決まっている。これは、どう足掻いても変えられない、そう言い残していました」
「死を受け入れていた?」
「そこは、わかりません。罪はあっても、生き残って欲しかった…」
サキヨミは、泣きそうでした。
「未来を見れても、幸せにはなれないなんて、不便だね」
静かに聞いていた、サードが割り込んできました。
「待っているのが、絶望の未来だけなら、諦めたくなります」
「絶望の未来?」
「敵に回した相手が悪すぎた。個人では、勝てないと言い残していました」
「個人で無理なら、権力使って組織を動かせば良いのでは?」
「それが出来るほど、7英雄の結束は強くないみたいです」
「戦力の逐次投入は、悪手と聞いてますよ」
「お互い、助けある事がないのが7英雄の弱点だとお母さん言っていた」
「友情とか、無いの?」
「あの連中に、それはない」
サキヨミは、そう断言しました。
「友達、いないのは辛い」
寂しそうにつぶやくサード。
「僕が、友達で駄目?」
「凄く、嬉しい」
本人、軽くぎゅっとしているつもりでも、物凄く力入ってます。身体凶化無しで、なんとかギリギリレベルです。
「サードは、もっと色々と訓練しましょう」
「一緒に訓練するなら、もっと嬉しい」
「ケイオス君、わざとやっているの?」
嬉しさのあまり、さらに力が入ります。身体凶化を発動して、潰れるのを防ぎました。仲間の強さを知れたのです。わざとでは無いですよ。
「ごめんなさい」
「大丈夫だから、問題ないけど、取り返しの出来ないときもあるから気をつけて」
「気をつける」
「組織でも、勝てないじゃない…」
サキヨミは、そう呟く。母親が敵にしてしまった人物。その恐ろしさを垣間見た出来事だった。
サードのハグは、鋼鉄の柱をくにゃりと曲げた事があります。。その時よりも、強くなっているハグを受けとめる。目の前にいる少年は化け物だと、受け入れているのでした。
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