第14話 旅立ち

「力が欲しいですか?」

「欲しいです」

「戦うための力を、授けます。何が欲しいですか?」

「戦う為の力ですか…」

 色々と、既にもらっています。これ以上、何を望むのか?今の僕、これからの僕に何が足りないのか…。

「戦う為の力というと、ガン」

「それ以上は、いけませんl

「好きなゲームのOPのセリフですけどね」

 懐かしい思い出です。色々と、やり込みました。

「知識が欲しいです」

「戦う為の力として?」

「転生話の定番、銃の作り方とか、火薬の調合とか、僕は知りません」

「その知識で良いですか?」

「力をもらえるのは、今だけですか?」

「功績を上げれば、気まぐれで」

「功績は、どうすれば?」

「魔石の欠片ありますよね?」

「はい」

「アイテム合成で、まとめてください」

 これは、試していかせんでした。スライムの魔石の欠片、かなり集まっています。それでも、一回で100個必要なので、合成できたのは5個です。

「魔石は、エネルギーの結晶です。これを捧げれば、功績と認めます」

「捧げ方は?」

「私の神像を作って祈りなさい」

「この魔石、普通の魔石ではないですよね?」

 合成でできた魔石は、ふつうによりもかがやいています。

「通常よりも、凝縮された魔石です。エネルギーとして極上ですよ」

「そう言って、一つ摘んで口に入れる。凄く、美味しそう。

「ちなみに、普通の人間が食べても毒なので食べてはダメですよ」

「食べたいとは、思いません」

「そうですか。魔石以外のアイテムも、合成すると通常よりも凝縮されて性能が上がります。役立ててください」

「これは、最初から仕組まれていたのですか?」

「スキルを選んだのは彼方の意思です。私たちは何も介入していません」

「…」

「そもそも、貴方のスキルの選び方が変なのです」

「変ですか?」

「補給を重視する人、あまりいません」

「継続して戦えるのは、大事ですよね?」

「チートを望んだ人間は、過大な力とか、奇抜なものを好んでいます」

「例えば?」

「多い傾向は、強奪や、コピーなのどのスキルを増やす系。剣聖や、聖女、賢者などの職業系スキル。無限収納や、転移などのエクストラスキル。錬金術師や、時使いなどの職業系ですね」

「カタログギフトになかったのがありますよね?」

「あれは、私にできる事のリストですからね。他の神々だと、違うリストになります」

「スキルに、誓約をつけた転生者はいますか?」

「それは、ないですね。面白い事を考えた人間がいると言っている同僚もいました」

「無限収納は、欲しかったです…」

「収納系は、私の分野ではないですが少しサービスします」

「サービス?」

「その宝箱の中身、収納の腕輪に変更しました。100個のものを収納できます。時間停止と、簡易鑑定機能付きですよ」

「100個だけですか?」

「大きさの制限は無いです」

 ニコニコと、笑っています。宝箱を開けると、腕輪が入っていました。普通に装備できます。装備すると、使い方が頭に入ってきます。これは、便利な品物です。献上、頑張るしかありません。

「後、解析スキルをサービスします」

「解析?」

「道具を解析する事ができます。解析すれば、構造や仕組みを理解できます。銃を解析すれば、再現できますよ」


「頑張ってみます」

「貴方は、補給を自前でできるので、迷宮の奥深くへ行くこともできます」

 食事は、魔物の宝箱から出てきます。武器は、消耗しても作り出せます。魔力の補給もできます。寝る場所も、魔力変換で編んでんな場所を作れば解決できそうです。家を作り、それごと収納の腕輪に入れることも出来ます。しかも、その場合家という事です枠は一つです。

「迷宮を交流しながら、北の帝国を目指しない」

「何かあるのですか?」

「帝国には、多くの転生者がいます。少し間引いて欲しいのです」

「僕に出来ますか?」

「今のままでは不安なので、旅をしながら向かいさない」

「孤児院のみんなに挨拶できないのは、寂しいかな」

「既に、死亡したと思われてますよ」

「そうなの?」

「この場所、スライム牧場の最新部は、攻略不可能と言われている場所です。そこに向かった形跡は発見されています。3日戻っていないので、死んだことになってますね」

「3日?」

「もう少し、周りを見る癖をつけなさい。さも無いと、死にますよ」

 何となく、納得できません。3日過ぎている気がしません。時間が経過していれば、疲労もあるはず。

「疲労回復の薬、食べてますよね?」

「心を読まないでください。読めるのですね…」

「調子に乗って、戦った結果ですよ」

「気を付けます」

「頑張って生き延びて、私に色々と捧げてください」

「了解しました」

 

 こうして、僕は旅立ちました。

 ソード帝国。過去の英雄が作った、巨大な帝国です。

 迷宮を攻略しながらだと、5年くらいはかかりそうです。

 頑張りましょう。

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