第13話 混沌の女神
「何か、不服でも?」
突然現れた女神は、お子様になっていました。思わず、笑ってしまったら、怒られました。しかも、思いっきり思威圧されています。神様の本気の圧力、魂に恐怖を刻み込まれました。
「これ相手に、戦おうとした過去の英雄は馬鹿ですね…」
「そのせいで、私の姿はこれになったのです。あっさり討ち取らず、じわじわとなぶり殺しにするべきでした反省しています」
恐ろしいことを言う、お子様女神。
「過去の英雄は、私の持つドロップアイテム欲しさに戦いを挑んだ愚か者です」
そうらしいです。今、世界に伝わっている話は違います。
悪質な策を講じて、英雄の一人を暗殺。敵討ちを望んだ聖女と、その信者百万人を、極悪な魔法で殺害。
残った英雄が協力するも、半数が討死。大いなる神が降臨して、子供の姿に封印。以後、星の中、夜の闇を彷徨っているという伝説の存在です。
英雄の死後、世界は混乱しました。それこそが彼女の望み。この部分だけは、間違っていないそうです。
ちなみに、子供姿になったのは、伝説となった時のイメージが定着したから。
伝説を作ったのは、当時生き残った女神の使徒の仕事みたいです。
この世界の住民は、魔物と戦うために創造した。それが、神々の使命。
「今日は、貴方を使徒に任命するために顕現しました」
「使徒ですか?」
「一定の力を得たので、私の使途として認めます」
「ありがとうございます」
「素直なのですね」
「いけませんか。」
「貴方は転生の時、私に対して敬意とか抱いていませんでしたよね?」
「元々、前世では神という存在に否定的でしたから…」
「今は違いますか?」
「目の前に存在していますし、転生もしたので信じています」
「存在は信じても、私の事を尊敬はしていませんね?」
「敬う気持ちはあります。実際、授かったスキルの陰で助かりました」
「そこに感じる、疑念は?」
「危険な目に合わせて、覚醒を促されたのか?今後も、危険な事がつくのかなと言う、疑念があります」
「そこは、私以外の存在の管轄です。私の本質は闇を司るもの。混沌の女神はこの世界での事です」
「その辺が、理解できません」
「今は、しなくても大丈夫です」
「使徒なのに?」
「今は、私から力を与えられる存在。それで良いのです」
「僕は何をすれば良いのですか?」
「迷宮の魔物を倒してください。貴方の力になり、私の力にもなります」
「力になる?」
「そういう風に、作られた世界だと思ってください」
「やる事は、それだけですか?」
「時が来たら、こちらからお告げを出します」
「どのような事があるのでしょう?」
「特定の魔物の討伐、反乱の防止、特定の人物の殺害ですね」
「それは、同じような存在に、こちらも狙われるという事でしょうか?」
「勿論です」
物凄く、良い笑顔。この神様、闇を司るはずなのに、すごく嬉しそう。
「貴方は、危機感が足りません」
「今のやり方はダメですか?」
孤児院で、ゆっくりしながら鍛えるつもりでした。
「想定外ではないですが、世界に変動が起きました」
「僕より先に転生した人が、何かやらかした?」
「確率が上昇。他の神々から依頼も受けています」
「何をすればいい?l
「力を求めなさい」
「それしかないですか?」
「弱ければ、死ぬだけです」
「人の嫌なところを、的確に攻めますね」
せっかく転生したのに、まだ死にたくないです。今となっては、くどいけど強く思います。
色々と、覚悟を決める時が来たみたいです。
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