前のエピソード――第10話　スライム牧場　その3

　もう一度、自分を確認します。全力で身体凶化した影響で、新しいスキルを獲得していました。

　魔力操作というスキルです。自己の行動で、新しいスキルを取得できる世界のようです。世界の仕組み、わからない事まだあるので、確認は大事です。

　強化された超感覚の時間の中で、武器を壊さないように魔力でガードしました。普段よりも、10倍異常に上がった知能が、本能で魔力操作をコントロールしていたみたいです。その結果、スキルを取得したみたいです。

　試せば、色々と出来そうです。ただ、今は他のことを確認する必要があります。

　色々と、隠していく予定でしたが、危険が多い世界です。出来ることは早めに知っておくべきです。

「魔力変換」

　魔力操作を覚えたので、スムーズに行動できます。闇属性の金属を生み出す能力。

　闇族の金属と言うのは、正直理解出来なかった。生み出されたのは、真っ黒な金属らしい塊。

　ナイトメタルと命名。あの存在、この世界では混沌を司る女神らしい。彼女の説明だと、製作者の闇に対するイメージを付与された金属になるらしい。

　転生の時は、神という存在を認めたくは無かった。神という存在、この世界では普通に認められている。複数の、存在が確認されている。成り立ちと、存在が全く違う神々がいるので、色々と難しい。

　混沌の女神は、この世界では悪とされている。過去の英雄を多数殺しているのが原因です。理由は、聞いたので納得しています。同じ立場で、力があれば僕も殺していたでしょう。

　今後、この手の仕事を行う予定です。彼女のおかげで、生き延びています。今も、身体凶化が無ければ、先ほど死んでいます。力が必要な世界です。今後も、何か助けてもらうこともあるでしょう。このナイトメタルも、そのための力です。

　僕のイメージする闇。金属に付与すると、便利なことをイメージ。

　闇は、破壊できない。闇を壊すと言うイメージができない。光を当てても、ただ通り過ぎるだけ。光が消えれば、元に戻る。

　闇は形を持たない。どんな場所にも存在するという事は、変幻自在という事。

　イメージする事で、形を変えられます。

　最初に作るのは武器。作るのは日本刀。お約束と言うものです。ただ、転生者のいる世界です。日本刀は色々と厄介ごとを引き寄せる可能性があります。

　なので、誰もいない場所でしか使わないように心がけます。

　手に持って、イメージする事で、刀身が変形します。

　一般的なショートソードに一瞬で変形します。

　全身も、ナイトメタルで固めます。和風の鎧を作りたいのですが、そこまでの技術はまだないです。なので、前世に経験を活かします。アニメ好きで、色々とグッズを集めていました。プラモデルは、色々と作ったものです。それをイメージして、体を包みます。付与する技術はないので、形だけ。それでも、防御力はあるので、何とかなると思います。

　形はそれなりになったので、いざ、実践です。