第10話 スライム牧場 その3

 何とか、生き残れました。まだ、恐怖で足が震えています。

 一瞬の出来事で、魔力を使い果たしています。危険な状態です。

 魔力吸収で、回復しましょう。

 闇から、魔力を回収するスキルです。ただ、闇を意識して触れないと発動しません。


 闇は、どこに存在するのか?


 どこにでも存在するものです。宇宙に出れば、無限に満ちている存在です。

 それを意識するだけで、何となく幸せな気分になります。

 考えていたことを試します。両手を合わせます。

 少し隙間を開けます。光が、入らないように注意します。

 覗き込めば、真っ暗です。ここに、闇がああります。手のひらから、意識して魔力を吸い込みます。

 体に、魔力が入り込んでくるのが分かります。これは、なかなか気持ちの良いものです。

 ある程度回復したので、次の問題を解決します。


 世界は、不思議で満ち溢れています。この宝箱は、最たる物です。

 魔物を倒すと、低確率で宝箱を残す。それとは別に、迷宮にも宝箱が置いてあることがある。

 魔物宝箱と、迷宮宝箱。中身に関して、色々と違いがあります。

 魔物宝箱は、罠などは無く、危険なアイテムは入っていません。どの魔物から、何が出るのかという法則もなく、いろいろな物が出現すると言われています。ただ、飛び抜けて優れたアイムの出現率は低いとも言われています。日常や、迷宮探索、戦闘に役に立つ物が入っている不思議な箱です。

「丸薬?」

 箱を開けると、小さな瓶に丸い小さな薬らしい物が詰まった物が入っていました。

 調べるには、鑑定魔法を使うか、実際に道具を使ってみるしかありません。

 鑑定魔法は、ランクによって調べれるない良いが変化するらしいです。魔道具でも、鑑定できる物があるらしいですが、非常に高価なものと聞いています。

 それこそ、迷宮宝箱から時々発見されるらしいです。

 迷宮宝箱は、罠が仕掛けられている場合もある危険な物です。その分、高価な魔道具や武器が入っているそうです。ボスと呼ばれる存在を倒すと、出現するらしいです。

 僕がこれを開けた場合どうなるかは、試してみないと分かりません。


 話が逸れました。手に入れた丸薬、試しに一粒食べてみます。危険は無いはずです。この手のアイテムは、使ってみると効果が理解できる様になるそうです。

「甘い…」

 この丸薬、ものすごく甘い物でした。孤児院では、あまりお菓子を食べことがありません。金銭的に、余裕がない場所なので、甘味は貴重な物でした。

 お菓子的な何かなら、他の子供にも少し分けても良いかなと思ったくらいです。

「効果が、危険すぎます…」

 一粒は、口の中でスッと消えていきます。甘さも、後を引かずにサラリと溶けていきます。美味です。

 ただ、効果が危険でした。

「疲労回復、栄養補給、少しの肉体強化」

 食べた事で、効果が判明しました。

 先ほどまで感じていた、気怠さが消えています。全力で、身体凶化を使ったので、失ったエネルギーは多いです。それが、補填された感じです。

 甘いのが、好きだからではありません。もう少しだけ、口に入れます。体に、エネルギーが溢れているのを感じます。必要なエネルギーを補充できたみたいです。不思議と、そう言う事が理解出来ます。食べ過ぎるのは、危険と感じたので止めておきます。直感には、従った方がよさそうです。

 ここで、一つのことに気づきます。

「これ、中身が減っていない…」

 危険なアイテムかも知れません。

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