第5話 ギアスキル その3
スキルリストにあった不思議な存在。それが、宝箱からポーション出現率アップでした。
転生先の世界、魔物をダンジョンで倒すと、素材と宝箱が手に入るみたいです。素材は、倒した魔物により種類と出現率が変動。宝箱は、中身はランダムで魔物の強さにより変動するらしいです。
世界を作った存在が、ある目的のために作り上げたシステムとの事。
素材ドロップリプ上昇や、宝箱の中身のラックアップというスキルもありました。
ただ、これからのことを考えると、これが一番望ましい気がしました。
迷宮で、転移の罠に引っかかって行方不明。彷徨った挙句に餓死という未来、可能性にあります。
食材を残す魔物は、迷宮にもいるそうです。水分は、大切なのでポーションで補いたいという考えでした。
「これに、誓約は付けれますか?」
「宝箱から、食糧系だけを出現すると言うのに、することは条件付きで出来ますね」
「食糧系?」
「ポーションと。不思議なパンや、謎の木の実というアイテムです。時々、豪華なフルコースも出現します」
「これって、ポイント高くないですか?」
「武器防具、スキルブックなど、貴重なアイテムの入手が出来なくなります。それと、システム的に、厳しい誓約が必要になります」
「システム的?」
「迷宮のアイテムで、人を呼び寄せ魔物を討伐させる。その時に発生するエネルギーを、世界の維持に利用するのが、この世界の目的です」
「変な目的ですね」
「大いなる存在の、意思なので仕方ありません。武器系に固定と言うのは、もっと簡単に出来ますよ?」
「不測の事態に備えてなので、生き残る可能性を少しでも増やしたいです」
「食糧系限定だと、ポイントが大きく不足します。素材を、確実に入手できるけど、最低ランクに固定と言う、過去に存在した嫌われスキルがあります。これとセットなら、ポイント0で提供します」
「その、嫌われスキルの所持者は、どうなりました?」
「最低ランクの素材は、基本的に魔石のかけらです。例外的にフロアボスという存在です。質より量を重視して、それなりに稼いで、それなりに満足した人生を終えました」
「そんなスキルで、ポイント貰えるのですか?」
「当時とは、時代が違います。迷宮に対する研究が進み、素材のドロップに関してもデータが揃ってます。スキルの研究も進み、過去に存在した駄目スキルとして、認定されています」
「それでも、セットで欲しいです」
「了承しました。ただ、追加のポイントも、このスキルの取得に使用されますが、宜しいですか?」
「お願いします」
これで、最初に考えたスキルの内4つを取得できそうです。出来れば最後の錬金術も欲しい所です。もう少し、考えましょう。
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