第4話 ギアスキル その2

 最初に手をつけるのは、魔力吸収です。

 これは、自然から魔力を吸収するスキルです。これを、限定的にすることで、ポイントを変更させます。

「一つの属性からに、限定できますか?」

「自然に回復しなくなるけど、良いのですか?」

「光合成みたいに、光から変換に限定できます?」

「それは、無理」

「何故?」

「私は、混沌を司る存在。属性は闇。光からの吸収は無理」

「闇から、吸収は?」

「勿論できますがあの世界で闇属性は、一番の嫌われ属性です。国によっては、生まれた瞬間に捨てられます」

「何かしたのですか?」

「過去の英雄を、数人私の使徒が殺害しています」

「何故?」

「人類を、滅ぼす可能性があったので」

「英雄が?」

「英雄だからですよ。強すぎて、人を超えるのは良いのですが、考えが幼すぎて暴走しました」

「闇堕ちですか?」

「そうさせたのは、人類で私が原因ではありませんよ。それなのに、この仕打ちは酷いと思いませんか?」

「その加護を持って転生する、これからの苦労が心配です」

「その分、ポイントに加算しておきます」

 闇属性限定にした結果、取得ポイントが0になりました。さらに、追加で200ポイント増えています。

 次に考えるとしたら、身体強化です。これも、誓約次第でポイントを節約できそうです。

「身体強化以外の魔法を使えないとすることはできますか?」

「可能ですが、よろしいのですか?」

「空間魔法とか、時間魔法は、加護はないと使えないのですよね?」

「基本的には、そうです」

「アイテムで、保存系や転移系の存在は?」

「色々とありますよ」

「それの使用方法は?」

「基本的に、魔力を流すだけ。魔法が使えない人も使えますが、かなり高価な物となっています」

「それは、仕方ない。その辺は、頑張ってみます」

「それでは、身体凶化としておきますね」

 これの取得も、ポイントは0。微妙に字が変わっています。追加のポイントは無いみたいです。

「これで、何とか生き残る道筋が見えてきた様な、絶望へと向かっている気もするけど、どっちかな?」

「生き残りながら、絶望する未来は素敵ですよ」

 ものすごく、嬉しそう。そんな気配に溢れています。

「魔力変換は、なにか誓約付けれますか?」

 全部選ぶには、少しポイントが足りません。ここは、欲張っていきます。

「持続時間に、制限をつけますか?」

「一度変換したら、そのままずっと使えたのですか?」

「剣ぐらいの大きさなら、持続可能です」

「使っている間に、消えると困るので、時間制限は止めておきます」

「闇属性の金属限定という手段もありますよ」

「闇属性の金属と言うのが、想像出来ません」

「闇の特性を込めた金属です」

「やりたいのは、武器防具を作る事です。出来れば、いろいろとギミックを仕込んだ道具も作りたいのですが、出来ますか?」

「ちょっと待ってくださいね」

 なにか、記憶を読み込まれている気がします。この不思議な空間のせいなのか、不思議な事が理解できます。

「問題ないです。おそらく、それ以上のことが出来ますね」

 そう言うなら、出来るのでしょう。お願いすることにします。

 取得ポイントは0になり、追加で200ポイントです。

 こうなると、欲が出ます。もう少し、交渉しましょう。

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