第3話 ギアスキル その1

 じっくりと、隅から隅まで目を通す。説明文がしっかりしていて、分かりやすいリストです。

「私特製の、カタログギフトです」

 意味は間違っていないけど、なんとなくドヤ顔をしている感じがして不快です。

「気に入りませんか?」

「わかりやすくて助かります。ただ、少し鬱陶しい」

「正直ですね」

「隠し事、出来ませんよね?」

「勿論です」

 グッと堪えて、我慢します。今は、時間が大事です。スキルの量、多すぎです。

「貴方以外の存在しか作れないスキルと言うのもありますか?」

「勿論ですよ」

「取り敢えず、これくらいに絞り込みました」


・魔力変換

・魔力吸収

・宝箱からポーション出現率増加

・身体強化

・錬金術


 上から、優先順位が高い。ポイントは全部100です。どれか一つしか選べません。

 魔法などのスキルは、一般的に入手できるみたいです。特殊な、空間魔法などは無理っぽいです。入手するには、その加護のある存在が必要みたいです。

 この場では、入手不可能です。

「さて、取引しましょう」

 スキルを見ながら、思いついたことを聞いてみます。

 ポイントの低いスキルには、色々とデメリットがありました。

 視力の低下の場合は、逆にポイントが増加されます。

 逆に、獲得経験値増加は、最初から100を超えています。

 カタログギフト、取得可能なスキルが全て掲載されていると書いてあります。

 本来なら、獲得経験値上昇は取得できません。視力低下以外にも、ポイントの加算されるスキルはあります。

 視力低下は、眼鏡があればなんとかなる可能性はあります。ただ、それを入手できる確率が不明です。生きるか死ぬかの場所で、明らかにマイナスになる素質は危険です。ある意味、罠が仕掛けられています。

「取引ですか?」

「スキルを、新しく作ってもらうことは可能ですか?」

「新しく作るのは、出来ません」

「改造することは、出来ますか?」

「デメリットの加算なら、出来ますよ」

 ニヤリと、笑っている気がします。

「私好みの存在が、やってきてくれて嬉しいです」

「素直に、喜べない気がします」

「さて、どんなデメリットを加えます?」

 カタログギフトを参考に、デメリットを考えます。加算されるスキル、色々と多いです。単体では危険ですが、組み合わせることで変化します。

 これからが、正念場です。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る