第34話 渚への調べ
翌日、俺たちはいつものように車でイオンへと来ていた。
「幸ちゃん、幸ちゃん」
「なに?」
「ううん、呼んだけ。えへへ」
美咲は、笑顔でそう答えた。
もう、可愛いなぁ。
「美咲」
俺は、彼女を見つめる。
ずっと見つめる。
「え、え」と声を出しながら少しずつ目が泳いでいく。
「幸ちゃん、あの恥ずかしい。なに?」
「ん?呼んだだけだけど」
「もぅ、幸ちゃん。ドキドキしちゃうよ」
頬を膨らませる美咲。
その仕草を愛らしく感じた。
「ごめんごめん、美咲が可愛いから」
「幸ちゃん!もぅ、意地悪な幸ちゃんにはこうだ」
美咲は、俺の左腕にしがみついてきた。
大きくなった彼女の胸の感触が直に感じられる。
夏場だから俺たちの服装も薄手になっている。
「美咲、ごめん。これは恥ずかしい」
「私も恥ずかしいよ・・・」
死角の端に見える美咲の顔は真っ赤になっていた。
きっと俺も同じ顔をしているのだろう。
美咲は、力を弱めいつものように腕を絡めた姿勢に戻る。
「美咲、そういうのは家でね」
「えへへ、そうだね」
俺は、美咲の頭を撫でる。
俺たちイベント特設会場でやっている水着売り場へと向かった。
「ねえねえ、幸ちゃん」
「なに?」
「私にどんな水着来てほしい?」
そういわれて俺は思考する。
どんな水着を着ても美咲は似合うと思う。
でも、他のやつに見せたくないしまた輩が来そうだからなぁ。
「可愛いのを着てもらいたいけど・・・」
「あ・・・うん。そうだよね」
「色ならオレンジか黄色が美咲には似合うと思うよ」
「えへへ、じゃあそれで探してみるね。幸ちゃんも探してくる?」
「そうしようかな、お互いに当日をお楽しみにってことにしようか」
「うん!」
そうして、俺たちはそれぞろ分かれて水着を買うことにした。
まあ、俺は無難にトランクスタイプにするけどね。
海が楽しみになって来た。
美咲は、どんな水着を着てくれるのかなぁ。
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