間章 檻の中の小鳥

第31話 6人の許嫁

僕は、兄ちゃんの車に乗って兄ちゃんのお家に遊びに来た。

兄ちゃんの家は、なんか大きな建物でアパート?っていうらしいんだけど。

僕に言われると、それはアパートというよりもなんか豪邸に見える。

なんか、一体感がある家で庭まであるし、駐車場だっていっぱいあるし。

アパートってなんだっけ?

僕は、一緒に来た美咲姉の妹の美来ちゃんと一階に案内された。

中に入ると、階段まである大きな部屋だった。

まって、アパートだよね。

なんで、階段が中にあるの?

これ、上の人どうやってお家に入るの?

辺りを見回すと兄ちゃんたちがいなかった。

え、ここ兄ちゃんのお家なんだよね。

なんでいなくなってるの?

「りっくん、りっくん」

「なに?美来ちゃん」

「末永くよろしくお願いします」

え?どういうこと?

僕は、ひたすらに首を傾げ続ける。

よく状況が理解できない。

「うん、こちらこそよろしくね」

「えへへ」と美来ちゃんが笑う。

か、かわいい。

こんなかわいい子がいるなんて。

「美来様。璃空様。お帰りなさいませ」

なぜか、巫女姿のお姉さんがやって来た。

ん?お帰りなさいってどういうことだろう。

「璃空様、貴方様にはこれから6人の許嫁の方たちに会っていただきます」

「許嫁?」

「はい、美来様もその一人です」

「はい、私がりっくんの許嫁です」

美来は、手を挙げてそう答えていた。

ごめん、頭がこんがらがって来た。

何が起きてるの?助けて兄ちゃん。

「そして、これから璃空様にはこちらで許嫁の方たちと共同生活をしていただきます」

共同生活?・・・共同生活!!!

僕は、もう訳が分からない。

そんな僕の手を美来ちゃんが取った。

小さくて柔らくて、握り返したらガラス細工のように折れてしまいそうな儚げな手。

「りっくん、私が付いてますよ」

そういいながら美来ちゃんは微笑んでいた。

胸が苦しい。

可愛いな、美来ちゃん。


僕は、そのあとほかの5人の許嫁と会うことになる。

そして、僕らの共同生活が始まった。

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