第22話 GW 誘い

4月28日。

明日から世間はGWということもあって学校が終わって、自室で話し合っていた。

そんな時だった。

あまり鳴ることのない僕のメッセージアプリにメッセージが入ったのは。

そこには、親父から「長期休暇だろう、明日一度二人で戻ってこい」と書かれていた。

「美咲。明日、実家に行っていいか?」

「もちろんいいよ、でもどうして?」

「いや、よくわかんないけど親父からメッセージが届いてさ」

そういって、美咲にメッセージの内容を見せる。

彼女も、首を傾げて見せた。

「あれ?わたしの方にもなにかメッセージ来てる」

僕ら二人のスマホにメッセージが来ることかなり珍しいことだ。

常に連絡し合う相手が四六時中そばにいるのだから連絡とり合う必要がない。

だから、メッセージアプリが鳴ることがないので意識してスマホを見ることもない。

時代に逆行してると言われるかもしれないが、僕らにとってがそれが日常なのだから仕方がない。

「わたしのほうはお母さんからだった」

「なんだって?」

「こっちも同じ『GWだから一度顔を見せにきて』だって」

美咲も、僕にメッセージアプリの内容を見せてくる。

確かにいま彼女が言った内容が書かれていた。

両家で用事があるのか、両家それぞれに用事があるのかわからない。

そう考えると日帰りとはいかないかもしれない。

「美咲、とりあえず最長でGWは向こうで過ごす覚悟で準備をしよう」

「わかった、じゃあわたしも準備してくる」

僕も、あまり使ってないトランクでも使うことにしよう。

一体、両家共になんの用事あるのだろうか。

ズボンはそんなに替えはいらないだろうから2,3本。

だいぶ、暖かくなってきたからTシャツ数枚と下着、あとは軽く羽織れるパーカーを3枚くらい入れておこう。

まあ、男の準備は割とすぐ終わるが。

美咲はそうも言ってられないだろうな。

僕は、トランクに準備するものを仕舞い終わったので一度部屋を出ることにした。

ダイニングに向かうことにする。

千智は、ちょうどダイニングにいて自身のスマホを眺めている所だった。

「千智さん、ちょっといいですか?」

「あ、幸多様。どうされましたか?」

「先程、両家から長期休暇だから一度戻って来いと連絡が来ました」

「わたしのほうにも、連絡が来ています」

「そうなんですね、それで明日から向かうつもりなんですが」

そう告げると、千智の表情が一瞬曇ったような気がした。

だが、すぐにいつもの表情に戻った。

どうしたのかとは、思ったがそればかりは聞くわけにはいかないだろう。

彼女だって、大人だ。それに、本来であればこんな家政婦みたいなことをする必要のない巫女なのだから。

「では、わたしも準備をしておきます」

「はい、お願いします」

あれ?千智の準備とは一体。

車かな?とこの時の僕は思っていた

やがて、知ることになるこのあとに訪れる出来事のほんの前兆だったことを。

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