第15話 放課後デート1
「幸ちゃん、幸ちゃん。帰ろ」
「ああ、そうだな」
僕らは、席を立ち鞄を持て教室を出ていく。
美咲は、僕の左上にくっ付いたままだ。
「ねえねえ、幸ちゃん。どこいこっか」
「どうしようかな、美咲はどこか行きたいとこある?」
「幸ちゃんといれるならどこでもいいよ」
「ありがとう、僕も同じだよ」
なにかしたいことあったかなぁ。
美咲と毎日いるからなぁ。
「美咲、駅前いこうか」
「ご飯食べよ」
「そうだね、美咲はなにたべたい?」
美咲は、首を傾げる。
その仕草が、可愛かった。
まあ、いつも可愛いんだけど。
「クレープとか」
「いや、おやつじゃん。まあいいけど」
「じゃあ、パンケーキ」
「おやつじゃん。甘いものの気分ってこと?」
「うん、だめ?」
なんかチワワみたいな美咲がいた。
いや、だめって言えないよ。
「大丈夫だよ、う~ん荷物どうしようか」
「いちど荷物だけおいて、制服で出かけよ」
「いいよ、じゃあそうしようか」
気が付いたら、校門を出ていた。
話してたらあっという間だった。
そして、僕らは自宅へと帰る。
「千智、ただいま~」
「千智さん、ただいま」
「幸多様、美咲様。お帰りなさいませ」
千智がキッチンの方からやってきて挨拶をしてくれた。
「お二人共、このあとお出かけかと思いましたけど軽めな昼餉用意してありますので、お召し上がりください」
「すいません、いただきます。いいよね、美咲」
「うん、食べてから出かけよ」
僕らはそれぞれの鞄を自室へと片付けダイニングへと向かった。
「じゃあ、僕らはこのあと駅前にちょっと行ってきますね」
「千智、夕飯も少なくていいよ」
「はい、わかりました。楽しんできてくださいね。
いってらっしゃいませ、幸多様、美咲様」
僕たちは、お昼ご飯を食べ終わり千智に挨拶をして駅前へと繰り出した。
僕は、美咲と手を繋いでいた。
彼女は、手をぶんぶん回してご機嫌のようだ。
「幸ちゃん」
「なに?美咲」
「好き、大好き」
「僕も、美咲が好きだよ。大好きだよ」
「えへへ」と言いながら照れながらも満面の笑みを浮かべていた。
「僕はね、美咲の笑顔が好きだよ。
美咲にはいつも笑って僕の隣にいてほしい」
「ほへっ、もう恥ずかしいよ」
「僕の本心だから。でも、美咲の笑顔は僕だけに向けてほしいな」
「私の笑顔は、幸ちゃんの・・・ううん、私の旦那様の物だよ」
上目遣いで僕を見てくる美咲。
耳も頬も真っ赤にしてる。
可愛いな、大好きだ。
美咲が、急にぴょんぴょんとジャンプし始める。
僕は、首を傾げながら足を止めた。
彼女の唇が、僕の頬に触れる。
何度も何度も。
「幸ちゃん、ちゅっちゅっ」
「美咲、鳥の啄みじゃないんだから」
僕は、前屈みになり美咲の身長に合わせる。
それと同時に、僕の唇に彼女の唇が接触する。
「えへへ、幸ちゃん大好き」
僕の顔は、すっかり赤面して熱い。
もう、火を噴きそうなほどだ。
「僕も好きだよ、美咲」
美咲は、振り向かない。
でも、耳が赤いのはちらちら見える。
最寄り駅は、学校からそんなに離れていない。
僕らの自宅のすぐそばだ。
つまり、僕らは駅前でイチャイチャしているということ。
周りの視線がやばい。
ちょっと逃げたい。
「美咲、ゲーセンいこう、ゲーセン」
「う、うん」
僕らは、ゲーセンへと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます