第7話 4人の異世界人
「ふぅ……何とか倒せたな」
戦闘を終え、3人は体を休め始めた。
す、すごかった……つい見とれちゃったよ、私。
「おいそこの人間! そんなちゃちい武器で戦えると思っているのか!」
「え、あの……」
小柄の男性がこちらに向かって来る。
なんだろう……身長のせいで覇気が感じられない……。
「見たところ『探索者』ではなさそうやなぁ……」
「それに……顔つき……体系……髪型……どれも……この辺の……人じゃない……」
黒髪の女性と青髪の女の子は、私をまじまじと見てそう言う。
なんだろう……恥ずかしい……。
なんか尋問を受けている気分だ。
「3人とも! バリお疲れ!!」
ふとそんな声が聞こえ、私は声のする方へ向いた。
「リンはん、お疲れ」
「遠距離の援護……助かった……流石……リンちゃん……」
「フン、小娘にしちゃ、やはりやる方だな」
3人は声の主……リンという女性に対して労いの言葉を掛ける。
その女性は……ピンク髪で、身長的に中学生くらいに見え、ボウガンのようなものを持っていた。
じゃあさっきの矢は……この子が撃ったのか。
……というかこの子。
「……耳長!?」
「……誰この子?」
私は失礼ながら、彼女に指を差して叫んでしまった。
……待てよ? この女の子、なんか既視感があるな? そういえば異世界小説に出てくる……。
「リン、聞いてくれ、この人間の小娘がよ、こんなちゃちい武器片手に大暴れしていやがった」
「お、大暴れ?」
男性は私のカッターナイフを指差して、そう言う。
考え事をしている時に急に物騒なことを口にしてきたので、つい声が出てしまった。
大暴れって……ただ腕を前に出しただけなんですけど……。
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