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××side


 ああ、アイツは上手くやっているかしら?


 明鏡家の屋敷の中でも一、二を争うくらい綺麗で広い部屋の中で寛ぎながらあたくしはふと考える。


「あ、暇だからあの傀儡いじりをしましょう!」


 我ながらとても良いことを考えたわ! そうと決まればあの傀儡の部屋にある監視カメラの映像を見て粗探しをしましょう!


 キュルキュルと早送りをしながら映像を眺めていると、良さそうな粗を見つけた。思わずニヤリと笑顔が浮かんでしまったのも仕方がないだろう。ふふ、今回はこのネタでいじり倒しましょう!




 止められたその映像に映っていたのは、シスイがベッドの中で丸まって眠っているものだった。










 この屋敷の離れまでわざわざ足を運んでやっているのだから、有難く思いなさいよ。そんな気持ちを込めてバーンとアイツの部屋の扉を開け、中にいるアイツを睨むことに全神経を注ぐ。


「ちょっと、あんたねぇ!」

「はい、。」


 いつもと同じ辛気臭い表情で一礼し、あたくしの名前を呼ぶアイツ。ああ、やっぱり来るんじゃなかった! 辛気臭いのがこちらにも移ってしまうわ!


「あんた、寝相が悪くてよ。あたくしは丸まって眠らないわ! 仰向けよ仰向け! ちゃんと寝相も完璧に模倣しなさい!」

「……申し訳ありません。以後気をつけます。」


「明日も変わっていなかったら今度はどうなるか……カシコイあんたなら分かるわよね?」

「……はい。」


「あたくしはあんたを嫌って言っているわけではないわ。完璧に模倣出来てこそ茨水ですもの。」

「心得ております。」

「なら良いわ。ちゃんとやりなさいよ。」

「はい。」


 嫌っているわけではない、だなんてちゃんちゃらおかしいわ! 自分で言ってて笑えてきちゃう! でもここで澄まし顔が出来てこそ茨水だわ。あたくし、超頑張ってる!


 ふふん、今日は機嫌がいいからこれくらいで良いかしら。明日の朝が楽しみだわ~!


 ふふん、と鼻歌を歌いながら夕飯を食べに食堂へと向かうことにした。

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