第40話 痛みは初めのうちだけ慣れてしまえば大丈夫

「そんなこと教えてる時間ないからうちは社会人経験ない奴採らないんだよ!」


頭上には、新たな東京のシンボルとしてそびえ立つ六本木ヒルズ。目の前は、飛んでくる正拳。


社会人経験3年以上が中途採用の条件だったこの会社は、民間企業から行政案件まで幅広く請け負うイベント企画制作会社で、大手広告代理店の下請け仕事が多かった。


六本木ヒルズの夏祭り、JRのsuicaキャンペーン、パチンコの新台展示会、政党パーティーとジャンルは様々で、代理店から案件が投げられると、企画書を作成し、施工業者や人材派遣会社、クリエイターなど各業者に発注しながら本番当日まで動かしていく。


目立ちたい、大衆をアッと言わせてみたい。広告業は、いかに大衆の耳目を集められるかという仕事であり、僕が目指してきたものと共通しているところがある。オガサカの結婚式でも仕切りや進行役の手応えを感じた僕は、イベント会社に入社した。


新宿駅から15分歩いたところにある二階建ての小さなオフィスには、社長を含めた4人のプロデューサーと、中堅どころ3人、僕を含む3人のアシスタントと、経理、従業員は10人ちょっとの少数精鋭会社だった。


CDショップで3年以上正社員として勤務していたが、接客業が主体のCDショップ店員とオフィスで働く会社員は違う。名刺の渡し方、議事録の取り方、エレベーターに乗る順、タクシーの座り位置、そういったビジネスマナーを僕は知らず、まるで新卒社員のように毎日怒られていた。


僕の仕事は、プロデューサーであるA先輩のアシスタント業務が主で、まずは3ヶ月間の試用期間で、先輩について業務を学ぶ。


出勤初日から帰りは終電だった。会社の案内をされ、社内会議に参加し、定時を過ぎても平然と業務は続いた。23時を過ぎたところで「終電があるので」と言ってようやく解放された。初日は全てが学びになったが、一番の学びは、定時に帰るのはありえないということ。残業代などは当然出ない。


それから僕はビジネスマナー本を買った。同級生らは3年前、4年前にきっとこういうことをしていたのだろう。早く追いつかないといけない。自分はこの会社でも、社会でも出遅れている。イベント業界や、広告業界の本も買って、たまにある土日休みも図書館で勉強した。


退屈だった。


麻雀の教則本のように頭に入ってこない。ギターの練習本のように入ってこない。もう面倒だと思ったとき、「お父さん死んじゃった」と母が泣きながら飛びついてくる病室のシーンが浮かぶ。


お前が夢から逃げてる間に親父は死んだ。また逃げるのか。


よし、と気を取り直してまた勉強に戻る。


打ち合わせで、誰でも聞いたことのあるような大きな会社に出入りしていると、ドラマでしか見たことのないようなロビーやオフィスを見て、本当にこんな世界があるいのだと感嘆した。イベントの現場では、何十人何百人の人間を動かし、普段まず出会うことのないようなキャンペーンガールたちと接したり、華やかな面ならいくらでもあった。


しかし現実は、その美女たちの前でボコボコにされ、一瞬で地獄と化した。


「お前さあ!そんな説明じゃ分かんねえだろ!」


キャンギャルたちへの説明の仕方が悪いと、A先輩に殴られ続けた。


「だっさ…」


という美女軍団の視線の中殴られ続けるのは痛みが2倍増しだった。


「はい、もう一回やって」


この空気でできるわけねえだろと思いながら、はたかれた顔の痛みを感じながら笑顔を作って「失礼しました!では、休憩時間に関してですが、4Pに記載の地図にある…」と説明をやり直す。


とある代理店で打ち合わせしたあと、昼も一緒に食っていこうと、新宿のカフェで、代理店の人と、A先輩と僕の3人で昼食をしたときのこと。


「昨日行った風俗がさあ」


と代理店の人が切り出した。僕はまだ風俗に行ったことがなかったからうまく話に乗れなかったが、そのあとの帰り道でもA先輩に殴られた。


「お前さあ!クライアントさんがああいう話してるんだから乗ってこいよ!俺だって昼間っから風俗の話なんかしたかねえけど、これも仕事なんだよ!」


その後も重圧は続き、次第に夜も眠れなくなっていった。元々寝つきは悪い方だったが、さらに悪化した。そして少しずつ食欲が消えていった。


表参道ヒルズのイベントでは、背中から思い切り飛び蹴りされ、睡眠不足でフラフラだった僕はあっさりと廊下に倒れ込み胃液を吐いた。廊下を汚したとまた怒られると思い、スーツの袖で慌てて拭き取った。表参道ヒルズの通路で飛び蹴りされて胃液吐いたのは、後にも先にも僕だけだろう。


六本木ヒルズのスタンプラリーイベントの準備期間中には、ついに歩行不能になった。雨の日に傘もささず準備を続けていたことで、水浸しの革靴の中で雑菌が繁殖し、足裏に無数にできた水ぶくれが腫れ上がった。足の裏の皮を全て切り剥がされたような痛みだったが、病院に行く時間はなかった。


この痛みは、我慢して歩いていると次第に慣れてくるが、止まったあとの次の一歩目が激痛で、熱された鉄板の上を歩くような格好になる。しばらく我慢して歩き続けているとまた慣れてきて、止まると次の一歩目がまた地獄。


睡眠が取れていない弱った状態で足を濡らしたままにしていると、こういう状態になると後日医者に言われた。そのため、お風呂ではビニール袋を履いて輪ゴムで縛り、足を湯船から出した状態で浸かる日々が続いた。


足を怪我した幼稚園時代の記憶が甦る。やがてぼんやり父の顔が現れ始めたが、そんな感傷に浸る間もなく、いてて、とゆっくり姿勢をずらしながら風呂を出る。


「3月26日だけはお休みをください」


入社前の12月、僕はそう伝えていた。この日は土曜日で元々会社は休みだが、イベント会社は土日も仕事になることがあると思い、事前にそう伝えていたのだった。


この日は高校の学年同窓会で、僕は全ての運営を仕切る責任者でもあり、司会者でもあった。


オガサカの2次会仕切りを見た友人らが、「学年同窓会をやろう!」と盛り上がり、学年全体への連絡は俺たちがやるから、サギは企画と司会を頼むと言われたのだった。


3月末付近に出勤になりそうな案件があったが、入社前から伝えていたことだったので、この日のことは理解してくれているように見えたが、日にちが近づいてくると様子は変わった。


「でもお前さあ、本当に休むの? それでいいの? そんな自分の都合で休んでばっかいたら、いつまで経っても仕事覚えないよ」


ある意味僕の読みは正しかった。こうなることを予想して入社前から伝えていたのだが、新人という弱さで言い返せない。でもこの日は、先生を含む200人近い同窓生が集まる見込みで、浦和ロイヤルパインズホテルの大広間を貸し切ってしまっている。さすがに変更はできない。


この日だけはすいませんと毎日謝る日々が続き、それからは事あるごとに「しかも休むくせによー」という理由を一つ乗っけて殴られるようになった。ますます立場は弱くなった。


どんな理由があろうと3年以内に会社を退職するものは、根性なしの落ちこぼれ。そんな奴は、高校を中退した奴のように、友人知人からも「あいつは終わった」と見なされる。


学年同窓会は大盛況に終わった。会場で後片付けや清算を終え二次会会場に入ると、僕はあまり面識のない女子からも話しかけられた。


「鷺谷くん、今日本当楽しかった!来て良かった!」

「私のこと覚えてる?C組のユミと」

「ああいうのって自分で考えてやってるの?しかも今はそういう仕事もしてるんだ!?やっぱりプロは違うねー!」


僕は女子に取り囲まれ、シマダ先輩になった気がした。このタイミングで俺にもモテ期が来た。


しかしそれは、一本の電話であっけなく終了した。


乾杯のあと、かかってきた電話に出ると、A先輩だった。


「てめえがいねえから、こっちは大変なんだよ!だいたいお前の作った資料なんだあれ!そのせいでこっちは」


僕はすぐに店を出て、外で延々説教を聞いた。


刹那のヒーローは、盛り上がる二次会会場の外で何十分も怒られ続けた。楽しい気分もすっかり冷め、明日も現場が早いからと、僕は一足先に帰った。


学年同窓会は、全てが狙い通りにいった。照明、映像、曲のタイミングから音量、全てがバッチリ。さすがロイヤルパインズのスタッフだ。最後はカーペンターズを流しながら全員で記念撮影。高校時間が2時間だけ戻ってきた。それを完璧に仕切った。どれだけ贔屓目に見ても、今日の出来は完璧だった。


今日まで本当に大変だった。過酷な仕事の合間を縫って会場とやり取りし、今日も16時に会場に入ってリハーサルして、本番中はほとんど壇上で仕切ってるからみんなとろくに会話もできず、終わればレンタル品の返却や確認、精算とやることがたくさんで、全部を終え、二次会会場入って、ようやくみんなとゆっくり話せる、今日くらい、今日くらいは誰か俺をチヤホヤしてくれというところで終了。


なんだこれ。


これじゃ俺はただの同窓会製造マシーンじゃないか。


あいつら今頃楽しくやってるんだろうな。久しぶりの再会で感極まって乳繰り合ったりするんだろう。


だんだん腹が立ってきた。なんで俺がお前らの青春カムバックタイムを無償で提供してやらなきゃならないんだ。俺はお前らのセックスきっかけを提供するために頑張ってきたんじゃない。


こんなことなら適当に広めの会場抑えて飲み放題2時間プランで良かった。なんであんなテレビみたいなガチ演出したんだ。だいたいお前ら俺の武道場ライブにも来なかったくせに。


会社も仕事も全部投げ打って、僕は二次会会場に戻ろうと思った。もう明日行かなくてもいいや。


お前が夢から逃げてる間に親父は死んだんだ。また逃げるのか。


そうだった。


それもこれも、全部お前が悪いんだろう。今の会社にいるのも、夢を諦めたのも、全部お前が決めたことだ。また逃げるのか。仕事があるだけラッキーだろ。親の脛かじりながら。


翌日は始発で現場に向かった。そして、A先輩を見つけるなり謝罪に行った。


「昨日はお休みを頂き申し訳ございませんでした。今日は頑張りますので、よろしくお願いします」

「ったくさあ、お前のせいで…」


と愚痴られたが、殴られはしなかった。セーフ。


すでに僕は、殴られなければセーフという感覚になっていた。


しかし、この日休んだことで、そこからはなにがあっても会社を優先しなければならない重圧が、一段と強くなった。


僕はそれでいいと思った。なんにせよ同窓会は成功した。ミュージシャンになって、歌を届けることはできなかったが、高校の連中に、あのときやっぱ楽しかったよな、という思いを届けることはできた。みんなで共有することができた。僕の「楽しい」を、みんなが共有して楽しんでくれた。


その日からは本格的に土日祝日もなく出勤し、振替休日なども当然ないまま朝9時30分から終電の23時過ぎまで、死んだように働いた。


感情もなくなりかけていた僕が我に返ったのは、父の一回忌のときだった。


どの会社の募集要項にも会社規定にも、「法要・忌引きを除く」といった一文が入っている。有給の規定はありますが、法要はこれに限りません、これは仕方がないことですからね、という意味だが、当然こんなのは表向きの文章に過ぎない。


3月26日を私用で休んだことへの嫌味はその後も3ヶ月以上続き、結果僕は、父の一回忌に行けなかった。


自分の意思で、その日出勤することを決意させられた、、、、、、、


同窓会のとき同様3ヶ月前には有給申請を出していたが、ことあるごとにA先輩の嫌がらせは続き、立場が益々弱くなっていた僕は、一回忌の日も出勤することにした。


「まあ普通のことだけどな」


と吐き捨てるように言われた。


こうして人は犯罪者になるのだろうと思った。この男を殺せば法では裁かれるだろうが、神様は許してくれるだろう。


午前中の法要に1時間だけ行ってすぐに現場に向かうという可能性も最後まで探ったが、A先輩は断固としてそれも許さなかった。


睡眠時間は2~3時間。土日もなく、病院にも父の一回忌にも行けない。月の残業時間は120時間で、残業代はなく、給料は手取り15万。


それでも僕らの世代は、会社が悪いとは考えない。耐えられないほうが悪い。仮に、その会社環境が悪かったとしても、それはいい大学に入って、いい企業に入れなかった自己責任。高校・大学とろくに勉強してこなかったから、ろくな会社に入れない。そして3年以内に退職し、落ちこぼれのレッテルを貼られて、終わり。一度貼られたこのレッテルは、二度と取れることはない。


数ヶ月が経ったころ、北海道のパチンコ新台展示イベントで、B先輩の下につく現場があった。


札幌市のホテルに夜中にチェックインし、0時から搬入開始。僕の仕事は、100人にも及ぶバイトスタッフの管理だ。すぐに彼らをグループで分けて役割を分担し、経験値の高いものに代表者としてトランシーバーを渡して業務にあたった。そして、朝6時には搬入・設置が完了した。


この展示会は、北海道、東京、大阪、福岡でも同時開催されており、うちの会社が全員で当たっていた。A先輩は東京、C先輩は大阪、社長は福岡。そのため、搬入の速度をみんなで密かに競っていて、北海道は見事一位だった。


「じゃあ少し休むか」


B先輩にそう言われ、同じ部屋で仮眠を取った。8時からパチンコ玉の搬入があるため7時30分に起きた。着替えて二人で会場に降りると、B先輩にこう言われた。


「お前ちょっと髭あるな。このあとクライアントも来るんだから剃ってこい」


僕は急いで部屋に戻り、髭を剃って現場に戻ると、会場の様子がなにかおかしかった。


「剃ってきました」

「おう」

「なにかあったんですか?」

「ん。まあ大丈夫だ」

「あとすいません、B先輩の髭剃り勝手に使ってしまいました」

「は? なに勝手に使ってんだよ」


するとB先輩は、代理店の女性担当者を見つけると、「まったくお前は…」と言いながらそこへ走って向かった。


なにかバタバタしている。


どうやら、来るはずのパチンコ玉10万発が、1万発しか届いていないという。


発注ミス。


どこで誰か間違えたのか。


今は犯人探ししている時間はない。


担当者は狼狽えた。


「どうしようBくん」

「まあ…なんとかしますよ」


代理店の女性社員は、B先輩より2つ年上のキビキビした聡明な女性だった。ザ・代理店といった偉ぶる様子はない、仕事ができる人だった。


10時になれば北海道中からパチンコオーナーが集まってくる。そこで新台を打ち、導入を検討するイベントのわけだが、9万発も足りない。僕とパチンコはつくづく相性が悪いようだ。


代理店の社員から少し離れたところで、僕はB先輩に訪ねた。


「どうしますか」

「お前は自分の仕事のことだけ考えとけ。今日の段取り大丈夫だな?」

「はあ…でも、玉が来なければイベントできないですよね」

「余計な心配すんな」


あとは参加者たちを待つだけという準備が整った9時15分。正面入口から作業着姿の3人の男が台車にダンボールを山積みにして運んできた。その5分後、10分後と、時間遅れで違う作業着姿の男たちが、次々と台車を押しながら入ってきた。


9万発のパチンコ玉だった。


あのあとB先輩は方々に手を尽くし、パチンコ玉を集めてみせた。全くそんな気配も感じなかった僕は、みんなと同じように驚いた。そして誇らしくなった。どうだ、これが俺の先輩だぞ。


B先輩は、運び入れてきた作業員たちに丁寧に頭を下げていた。その光景を見ながら、代理店社員が安堵しながら言った。


「だからあいつ信用できるんだよ…。またBに助けられたわ。ちょっとお礼言ってくる。鷺谷くんも本番よろしくね」


そうして無事、展示会は終わった。


搬出作業も僕が一任された。


「鷺谷ー、搬出も当然1位なー」

「わかりました」


昨夜と同じバイトチームだったから、やりやすかった。みんな僕の4つ5つ下くらいで、昨夜の休憩時間は自販機の前でみんなとご当地トークで盛り上がった。


「鷺谷さん、北海道ってファミマないんスよ!」

「まじで? なにが多いの?」

「セイコーマートっすね。ほら、あそこにも」

「本当だ。しかし札幌の町並みって、なんでこんなキレイに整頓されてるの?」

「これは碁盤の目になってるんですよ。色んな説があるんすけど…」


小さな信頼関係があった僕らは見事な連携を見せ、北海道は搬入・搬出共に1位を獲った。全ての仕事が終わり、ガランとした会場で一息つくと、B先輩は僕のお尻を蹴ってきた。


「ったくお前はよお。勝手に人の髭剃り使いやがって」

「いや、先輩が速攻で剃って来いとおっしゃったので」

「言ったけどお前、自分の使えよ」

「いや、探す時間が。洗面所に先輩のがあったから…いや、それより今日、B先輩にご迷惑かけてませんでしょうか。なにか至らなかったところとか」

「ねえよ。それよりお前人の髭剃りをさ…」


薄々気づいていた。


この職場は、A先輩だけが異常なのだ。そして俺も、殴られるほどのミスはしていない。


どうやら僕は、最悪のカードを引いてしまったらしい。その後はB先輩と小さな打ち上げを兼ねて、すすきのにあるジンギスカン屋さんに行った。


「じゃあどこ行くかあ」

「ご飯屋さんですよね?」

「他にもあるだろう。正直に言えよ」

「正直って別に。じゃあ高いところがいいです」

「いやご飯じゃなくてさあ。本当のこと言えよ」

「いや、本当にわかりません。なんです?どこか行きたいところあるんですか?」


B先輩が風俗に行きたいのはすぐに分かったが、僕はB先輩の話が聞きたかった。


「B先輩、結構僕に一任してくれましたけど、自分なんかで心配じゃなかったですか…?」

「さあ。まあ良いんじゃないの。休憩中もみんなと仲良くやれてたし」


B先輩は退屈そうにジンギスカンを焼きながらそう言った。そんなに風俗行きたかったのか。ならこのあと一人で行けばいいのに。でもこの人のキャラクター的に、一人風俗行く俺、帰る後輩、本当風俗好きだなあ、みたいな構図になるのが嫌なのだろう。


「え? あの近くにいらしたんですか?」

「いや偶然お前らいたから。通っただけだけど」


多分この人は、要所要所で確認していたはずだ。なにせ9万発のパチンコ玉をあれだけ冷静に集めてしまう男だ。


「でも焦りましたね、玉が足りないってなったときは」

「…ああいうときは、現場のトップにいる俺たちが焦るとクライアントも現場もみんな焦るだろ。だから俺たちは、どんな状況に陥っても冷静に対処しなきゃいけないんだよ。それよりお前、人の髭剃りをさ」


プロだ。


A先輩なら大騒ぎして、みんなの前だろうと平気でどついてくるが、この男は本物だ。


その後の僕の人生において、僕はB先輩の教えを何度も生かした。B先輩は直接なにかを教えてくれはしなかったが、B先輩から勝手に得たものはあまりにも大きかった。

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