第八話 体育祭の種目決め
あの事件からは、特になにもなく普通の学校生活を送っていた。
ゴールデンウィークはバイトがたくさん入ってしまって思うように遊べなかった。
まぁ、ゴールデンウィークといっていつも遊ばない人と遊ぶってわけではないからなぁ
まぁ、遊ぶ相手もいないから一日中ゲームをするだけなのでバイトのおかげで生活リズムが崩れなくてよかったと思っている。
ゴールデンウィークも終わってしまいインキャな学生としては地獄の体育祭という行事が始まろうとしていた。
「では、体育祭でやりたい種目を選んでください」
双葉さんが学級委員なので司会に立って黒板に書いていく。
体育祭では ・200mリレー
・400m走
・綱引き
・大縄
が、もともとあり。そこに学年としての競技+学校としての競技があるのだが。
ここできまっても確定というわけでもないのに結構揉めている。
理由はやはり王道な種目がたくさんあるからだろう。
学年種目
・玉入れ
・借り物競走
・騎馬戦
学校種目
・ダンス
・棒引き
・二人三脚
なんだろうせめて借り物が学年ならよかったのに体育祭でいい種目が偏っている…
男女で対立しているようで陰キャは本を読んでいる
(多分、数合わせになるだけだろうなぁ)
男子は騎馬戦をみていて
女子は玉入れがいいらしい
まぁ、そうなるだろうなぁ。
俺は借り物競走がいいんだけどなぁ〜
男子の主張を聞いてみる
「体育祭はやっぱり騎馬戦だよなぁ!」
「そうだそうだ!」
まぁ、騎馬戦は男子的には女子にモテるしいいのだろう。
一方女子の場合
「騎馬戦はあり得ない」
「玉入れのが楽しいじゃん!」
ずっとこんな状態だ。
30分くらいが経過して双葉さんが
「多数決をします。伏せてください。」
あの双葉さんだけあって男子はすぐに振り向き姿勢を正した。
ただ、女子は……
「は?なんで多数決なの?人数的に女子が少ないでしょうが」
「そーよそーよ」
同調botうざいなぁ
「これ以上話しても決まらないので仕方ないです。まず結果を見てからにしましょ」
もっともなことで女子達は引き下がった。
「目を開けてください。」
・玉入れ 19
・騎馬戦 19
「生徒が39人いるのですがあと一人だれですか?」
俺は手を上げた。
みんなが驚いている。なんなら双葉さんが一番驚いていた。
「竹田くん。なにか意見あるんですか?」
「正直どっちの意見もいいかもしれないけど、俺は借り物競走がいい。男子も女子もいるんじゃないか?借り物やりたい人もう一回投票するから手を上げて」
俺が双葉に頷き全体を見渡す
クラスがしーんとする。
「もう一回投票します」
・玉入れ 10
・借り物競走 20
・騎馬戦 9
「は?お前ら騎馬戦やりたいだろ?」
男子の1人が言う
周りは黙り込んでいた。
さっき質問してきた女子も不満げに周りの女子と話している。
「これで決定でよろしいですか?」
双葉さんが声をかける。
すると女子から納得がいかない。ということでもう一回投票をしたいらしい。
(めんどうな…)
双葉さんは明るく
「これで決まりますよ」
仕方なくみんな了承する。
結果
・玉入れ 8
・借り物競走 23
・騎馬戦 7
結果は借り物競走になった。
先程よりも人数が多くなっているのは多分多数決でどちらにみんなが入れるか気になっていたやつだろう。
決まったことなのに女子は
「なんで、おかしいでしょ」
「決まったことなのでもう、やめてください。見苦しいです。」
珍しく双葉さんがキレていた。ただ、学校ではいつもこんな感じなので相当この女子生徒に疲れたんだろう。
「これにて、種目決めは終了します」
双葉は自分の席に戻り疲れたような表情をしている。
まぁ、疲れるだろうなぁ…
「大丈夫か?」
そう声をかけると
「あ、ありがとうございます先程は」
「大丈夫。借り物競走したかったし」
本当のことを言ってあげる
すると少し笑いながら
「私も借り物競走がよかったですから…」
なんとも可愛いやつだ。
先程の女子生徒はこちらを見て睨んでいる恥をかかされたからであろうか
まぁ、どちらでもいいか
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