3月21日
西暦2023年3月21日
マスクの着用が個人の判断に委ねられてから1週間くらい経つんですけど、外している人はあんまり見掛けませんね。特に交通機関や建物の中ではほとんどの人が着用しています。
かくいう私も商業施設やイベント会場なんかでは、それまでしていなかったマスクを取り出してわざわざ装着していますから、他人をどうこう言える立場ではございません、はい。
なかなか外せない理由としては、
「コロナ感染が怖い」
「マスクに慣れた」
「素顔を見られたくない」
「恥ずかしい」
「マスクを外すのはパンツを脱ぐのと同じ」
「マスクはもはや顔パンツ」
といったところでしょうか。
コロナはまだ完全に収束したわけではありませんし、5類への移行は5月8日からですから、それまではマスク着用を続けようと考える気持ちはよくわかります。
でも恥ずかしいとか顔パンツってのはなかなか面白い理由ですよね。自分の口元を見られるのが恥ずかしいってことは他人の口元を見るのも恥ずかしいんでしょうか。
「口元を見せられると羞恥を感じてしまう!」
ということになれば口元はワイセツ物と考えなくてはならなくなりますね! なにしろパンツの下にあるものはワイセツ物以外にあり得ないのですから。
ちなみにワイセツ物とは、
「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反するもの」(最高裁判決昭和26年5月10日)
だそうです。
口元がこの文言に該当するかどうか現段階ではちょっと微妙ですが、このまま国民がマスク着用を続け、「口元は隠して当然」という常識が生まれれば、口元がワイセツ物として認定される日が来るかもしれません。
そうなると大変です。公衆の面前で口元を晒せばワイセツ物陳列罪で逮捕されますからね。
大っぴらに口元を晒せるのは公衆浴場と公衆トイレだけ。
レストランは全て個室。同席の人以外には口元を見せないようにして食事。
口元が登場するマンガ、映画、写真などは口元にモザイクをかけた上で全てR18指定。
口元が登場する小説ももちろんR18指定。
みたいな世の中になってしまう小説を書いてみようかなあと思ったんですけど、マスクを外せない方々のお怒りを買いそうなのでやめました。
でもワイセツ物の定義って曖昧ですよね。性欲も羞恥心も感じなければ、それはワイセツ物ではないってことでしょう。
隠すから恥ずかしく感じるんでしょうかね。江戸時代の中頃までは混浴で、男も女も素っ裸で入浴していたわけですけど、互いに恥ずかしがっていたらそんなことはできませんからね。隠していないから恥ずかしさもないって感じかなあ。
往来で擦れ違う他人の顔をジロジロ見ないように、同じ湯に浸かっている他人の裸もジロジロ見ないようにする礼節が、昔の日本人にはあったんでしょうなあ。今の時代で素っ裸の混浴なんかやったら大変なことになるでしょう。
まあ、でも言っているうちにマスクを付けないのが当たり前の世の中になるんでしょうね。それが発展してパンツをはかないのが当たり前の世の中になったとしら……う~ん、あんまり面白くないような気がします。あれは隠されているから有難いのであって、口元と同じように普通に見ることができちゃったら、きっと何とも思わなくなるでしょうから。マスクを外す日が来てもパンツを脱ぐ日は永遠に来ないでほしいですね。
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