第155話 門番の頼み事①

「着いたー!」


「きゅ~!」


「ララ~♪」


エリアボスを倒した私達は十番目の街である《テンスラグナ》へとたどり着いた。


見た感じは大きな普通の都市だけど…。


なんかやけに周りの壁が高いな。


要塞って感じ?


要塞都市ってやつ?


「お前。用件はなんだ?」


テンスラグナの壁を見上げていると兵隊さんに声を掛けられた。


ここの門番だろうか?


「私は旅人でこの街に用があってきたんだけど」


「何の用だ。」


「この街にしばらく滞在しようかと」


「ダメだ。帰れ。お前を入れることはできん。」


「出禁!?なんで?」


私何もしてないんだけど…思うがままにプレイしてるだけなんだけど?


「よそ者に話すことでもないが…まぁいいか。


つい先日。


魔王軍に襲撃されたんだよ。


警備を厳重にしている。


怪しい奴を入れるなとのことだ。」


「魔王…」


このゲームの世界ならいてもおかしくないか…。


え、ていうか私そんなに怪しい奴に見えてるの…?


ちょっとショック。


「魔王って強いんです?」


「ものすごく強い。


最強と謡われた先代の勇者様ですら打ち負かすほどだ。


…まさか魔王に挑もうっていうんじゃないだろうな!?」


「あはは。そんなまさか…それでどうやったら中に入れてくれるの?」


「不可だと言っているだろう!


さっさと帰ってもらおう!」


どうしても中には入れてもらえないらしい。


見た感じ他のプレイヤーは普通には入れてるっぽいんだよね。


ちらちらとこっちを見ながら中に入る人たちがちらほらいるし。


頭のカーソルはプレイヤーの色だし。


私だけ何かの条件に引っかかって入れない…?


うーん。


魔王軍って言ってたし魔物使いっぽいテイマーがダメとか?


でもそれ私だけじゃないよね?


「そうだ。


私が怪しい奴じゃないって証明できればいいんだよね?」


「まぁ…そうだな。」


「なら門番さんが困ってることを教えてよ。


私が解決するから。」


「…いいだろう。


この都市から少し行ったところにある村にゴブリンが住み着いて困っている。


住民は皆避難したが家畜が食い荒らされた。


そのゴブリンを駆除してきてほしい。」


《門番からの頼み事1/5


ゴブリン退治を開始します。》


1/5ってことは全部で5回あるのか。


さっさと終わらせて街の中に入ろう。


「じゃあパパっとやってくるね。」


まぁゴブリンだしスノウとルルがいれば楽勝だよね。


そんなことを考えながら私は目的地へと向かった。


…がそこにいたのは普通のゴブリンではなく私の体の数倍もの体格の大きなゴブリンだった…。


…こんなに大きいなんて聞いてないんだけど?

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