第151話 水瓶座の遺跡を目指して

女王との戦いの後…


私はサティナと待ち合わせをしてカフェにいた。


「お待たせしました。コーヒーとシュークリームです。」


「ありがとうございます。」


私がお礼を言うと店員さんはニコリとほほ笑んで戻っていった。


「レグリア…大丈夫かしら…」


「心配だけど…本人に任せるしかないよ。」


「そうね…。


レグリアにも後で謝るんだけど…


ごめんなさい!私まさか女王が女王じゃなかったなんて知らなくて…


ユズにも迷惑かけたわね。」


「あの状況じゃ仕方ないよ。


サティナたちが人魚になったころにはもう入れ替わってたし


レグリア以外の姉妹は口封じされてたし。


レグリアもあんな状況だったし。」


「でも私の気が収まらないわ。


何かお詫びさせて。」


「んー。じゃあこの辺りに美味しいスイーツのお店ってある?」


「あるわ。ここよ。」


うん。確かにここのシュークリームはおいしい。


リピしたいレベルだ。


「他には何かしてほしいことない?」


「ごめん。今からはちょっと都合悪いの。


だから今度また人魚の国に来た時にお願い。」


「分かったわ。


じゃあ私は行くわね。」


そう言ってサティナは去っていった。


「さてと…行きますか。」


私は部屋を出ると城の方へ向かうのだった。


ーーーーーーーーーーーー


城に着いて門番に用件を伝える。


「…つまりは会えないと。」


「現在新女王様は面会を拒絶されています。


お引き取りください。


何人たりとも通すなとのことです。」


「面会拒絶って…」


まさかそこまでとは…。


そっとしておこうとは思ってたけどよく考えたらレグリアがいないと水瓶座の神殿の中まで行けないんだよね。


どうにかしたいけど…。


こればっかりは…。


突入するしかないね!


「ルル!」


「きゅるるぅ~」


私はルルを呼び出して強行突破しようとする。


「わ!だから面会は無理だと…!」


「いいの。私のお客さんよ。通してあげて。」


突入しようとすると奥からレグリアが出てくる。


「新女王…」


「ごめんね。無理に突破しようとしちゃって。」


「大丈夫よ。奥で話しましょう。」


「レグリアには付き合ってもらうよ。」


「え?ちょ!待っ…待ってェェェェェ!」


私はレグリアの手を掴むと猛スピードで進む。


「と、ところでユズはその水瓶座の遺跡?の場所知ってるの?」


「大丈夫。私、便利なアイテム持ってるから。」


あれがあれば遺跡に安全にたどり着けるからね。


「なら安心ね…ってそうじゃないわ!


このスピード何とかならないの!?」


「うーん。スピード出しすぎてどうにも…?」


「た、助けてええええええええええええ」


泣きながら叫ぶレグリアの叫びは誰にも届くことはなかった。

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