第150話 悠久に響く黄昏の歌⑥
『やれ!我が僕たち!』
反撃を宣言した私に対して女王(仮)は人魚たちを差し向けてくる。
少し数が多いけど…
「問題なし。
ルル!スピードソング!」
「きゅるるぅ~♪るるる~♪」
『!?人魚たちの動きが遅く!?』
「これなら人魚たちを傷つけずにお前の元へ行ける。」
『小癪な…』
「ルル!」
「きゅるるぅ~!」
「ユニゾン!破滅の歌!」
「きゅきゅるるる~♪」
『あ、ががが…バカナ…ワタシガ…コンナヤツ二ィ…!』
「ありがとう。ルル。」
「きゅるるぅ~」
簡易召喚の制限時間が来てルルは消えてしまった。
「レグリア!一緒に決めよう!」
「ええ!」
私はレグリアの隣に立つと一緒に黄昏の歌を歌う。
『ヤメ…ヤメロォォォォォ!!!!!!!』
「地獄で懺悔するといいよ。
他人の幸せを奪ったこと。」
『ワタシハタダシタイヲリヨウシタダケ…!!』
「救いようのない屑ね。」
「「ラ~♪」」
『コンナ…コンナトコロデェ…』
その言葉を最期に女王(仮)は喋らなくなってしまった。
「倒したってことでいいのよね…?」
「まだ警戒はした方がいいかも。」
ムサシ(仮)の時は巨大な体に乗り移ってたからなぁ…。
警戒はしておいた方がいい。
“旅人さん助けてくれてありがとうございます。”
警戒していると女王が起き上がり私にそう言う”
「あなたは…本物の女王…?」
「お母さま…」
“レグリア、たくさん迷惑をかけてごめんなさいね…”
「お母さまは悪くありません!」
“だけど体を勝手に使われてしまっていたのは事実だもの”
“旅人さん。
あなたは水瓶座の十二星神の神殿の場所を知りたいのよね?
それにウタイルカから人魚に進化するために私の力が必要。
そうでしょ?
今回のお礼に叶えるわ。
そのお願い。”
「…レグリアとの時間を優先してあげて。
もう永くないんでしょう?」
「え…?」
“全てお見通しなのね。
私は既に死んでいた身…
さらに力を無理矢理使われていたからもうすぐ体が崩壊する。”
「お母さま…話したいことたくさんある…
でもこれだけ聞いて。
私を大事にに育ててくれてありがとう。
私、この国をしっかりまとめられる立派な女王になるよ。」
“楽しみね♪”
“ユズさん。改めてお話します。
水瓶座の遺跡はこの人魚のティアラと新女王であるレグリアが導いてくれます。
そこに人魚の宝玉も隠されています。
あそこには正しき女王と選ばれしものしか行けませんから。
安全なので。
それとルルさんを出していただけますか?”
私は言われた通りに簡易召喚でルルを出す。
「ルル。」
「きゅるるぅ~」
“近くに来てください。
…これで大丈夫です。”
「何をしたの?」
“まじないを掛けました。
これで人魚の宝玉を使用すればルルさんは人魚へと進化出来ます。”
「これでルルが人魚に…」
「お母さま…体がもう…」
私と話している間に女王の体の崩壊は進んでいた。
既に顔の半分まで崩れている。
“レグリア。
健康に気を付けてね。”
そう言うと女王は完全に消えてしまった。
「…」
ここはそっとしてあげておいた方がよさそうだ。
私は人質から解放したサティナを担ぐとその場を離れるのだった。
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