第148話 悠久に響く黄昏の歌④

「ここが…女王のいる城…」


ついに当日を迎えた私達は女王の待つ城の前まで来ていた。


ここで全ての決着が着くといっても過言ではない。


最終決戦…気を引き締めていかないと。


「ユズ。中に入りましょう。」


「そうだね。」


いつの間にかお嬢様モードに変わっていたレグリアと共に城の中に入る。


城の中はすごく金ぴかな内装になっていた。


「城の内装が変わってる…


魔素が溜まる前に来た時はこんなじゃなかったわ。」


「女王(仮)が変えたのかも。


何があるか分からないから慎重に控室に行こう。」


「ええ。」


こんなところに罠を仕掛けているとは思えないけど…。


何が起こるか分からないから慎重にいかないと。


私達は警戒を解かないようにしつつ控室に向かう。


控室の場所自体はサティナからの伝達で知ってるから問題なくたどり着いた。


「二人とも。早かったわね。」


「サティナ。久しぶり。」


「早速だけど着替えてステージに上がってもらうわよ」


「時間はまだ先じゃないの?」


「それが女王が到着したらすぐにステージに上げるようにって。」


「女王が…」


怪しい…とは思うがここは素直に上がった方がよさそうだ。


「レグリア、準備をしようか。


サティナは待っててくれる?」


「会場のセッティングがあるから私は行くわ。」


「そっか。じゃあまた後で」


サティナが出て行ったのを見計らって扉を閉める。


「どう?」


「サティナに変わったところはないわ。


恐らくなにかあるとしたらステージの方でしょうね。」


「女王(仮)が『演出に使う』って言えばサティナたちは従いそうだね…」


「何か対策はある?」


「一応色々前々から準備はしてあるよ。


厄災だとは思ってなかったとはいえ女王とは戦うつもりだったからね。」


ナイルディラで買い物したときにたくさん買い込んだ中に色々と役に立ちそうなものがある。


まぁ使ってみないと役に立つかどうかは分かんないんだけど。


それひとまず置いておくことにする。


それにここに来る前にメギドから出来た武器を受け取ってきた。


思ったより早かったけど間に合ってくれて良かった。


何故かアイドルという職業は全武器装備可能なのだ。


…私は武闘派アイドル?


「ユズは女王に会いに人魚の国に来たんだったわね。」


「こんな状況になるとは思ってなかったけどね。」


「まぁお喋りはお母さまを救った後にしましょう」


「そうだね。」


「そろそろ向かうとしましょうか。」


私たちはそう言って顔を合わせるとステージへと向かうのだった。


まぁ…何とかなるかな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る