第128話 古龍の古代遺跡⑤
「よし…。こんなもんかな。」
私は報酬を確認するとインベントリを閉じる。
ドラゴン系の素材がいくつかと紅色の宝珠という今までドロップしたことのない素材が一つだった。
これは使い方が分からないからとりあえず保留かな。
後でお姉ちゃんにでも聞いてみよう。
何か知ってるかもしれないし。
「さてと…」
『うぅ…負けてしまいました…。』
私は床に座り込んでいる半竜人ちゃんの元へ近づく。
戦闘が強制的に終わったってことは何かしら次のイベントに進むってことだろうけど…。
とりあえず話を聞いてみることにしようかな。
「さてと…襲ってきた理由の詳細を話してもらおうかな?
さっきの説明じゃわかんなかったし。」
『はい…。元々私達はこのダンジョンで暮らしていたドラゴンでした。
いえ…半竜人というべきでしょうか。
見たままの通りですが。
あ、申し遅れました私はシュカ。
古竜と人間のハーフです。』
「やっぱり半竜人なんだ。」
勝手に半竜人ちゃんとか読んでたけど合ってたみたいで良かった。
というか話し方が変わってるのは触れない方がいいのかな…?
まぁいいけど。
『私達は千年前までは平穏に暮らしていました。
このタンジョンも昔はこんな物騒な場所ではなかったんです。
あの科学者たちが来るまでは…』
「科学者?」
『はい。私達を改造した奴らです。』
「さっきから気になってたけど私『達』って?」
『あ、言い忘れてましたね。私には妹がいるんです。
この部屋の奥にある部屋を守っているんです。
それがさっき私があなたを襲撃した理由です。
私はこの部屋を守っていたんです。
ダンジョンの指示に従って。
妹も同様です。
私より潜在能力が高くて何十倍も強いんですよ。
このダンジョンの難易度を上げているのはほとんど妹みたいなものです。』
「妹さんが…」
『話を戻しますね。
ここを襲撃した科学者たちは私達の両親を殺し、私達を捕らえた後
父様の素材で私達を改造したのです。
私達は抵抗できなかった。
奴らはそのままダンジョンを改造して要塞として利用し始めた。
私達はこのダンジョンの一部として取り込まれた。
さきほども言ったように私達はこのダンジョンを守らされることになった。
私はこの部屋に…妹はコアのある部屋…最深部に配置されました。
私はあなたとの戦闘で正気を取り戻したので妹もあるいは…』
これは…もしかすると…
「妹さんを助けに行こうか?」
『いいんですか!?』
「うん。元々最深部には行くつもりだったし。
最深部で妹さんを倒して助ければこのこのダンジョンを踏破できるってことでいいんだよね?」
『はい。』
「なら任せて。先に進むよみんな!」
「きゅ!」
「ルル~」
「はい。」
「うん。いいお返事。じゃあ行ってくるね。シュカ。」
『はい。ご武運を。』
私はシュカに別れを告げると最深部へと足を進めるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます