第121話 古の遺跡を目指して

「おっと…元居た場所に戻ってきたみたいだね。」


緊急レイドが終了した後…私は不死鳥の試練を行った塔へと戻ってきた。


緊急レイドの時に一緒にいたスノウは消えてモノが横にいる。


どうやら塔に入った時点で出せるテイムモンスターは固定されてるみたいだ。


まぁそれは置いといて。


【む。戻ってきたか。いきなり消えたからどういう了見かと思ったが…


その様子だと問題は解決したみたいだな。】


「うん。心配してくれてありがと。セインたちも守ってくれてたって紺から聞いたよ。」


【礼には及ばん。


あの聖女たちなら神殿に送り届けたぞ。


あのままあそこにいては危険だったろうからな。】


「ありがとう。


でもよく分かったね。


セインたちが神殿に勤めてるって。」


【余は神獣ぞ?


貴様ら人間の心くらい読める。


心を読めば住んでる場所くらい分かる。】


「なるほど…。」


【さぁ。用が済んだなら去るといい!


次は卵が孵った後にでも顔を見せるといい。】


「うん。それじゃあね。」


そう言って私は今度こそ塔を出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さてと…塔を出たけどどうしようかな…


エリアボスを倒しに行きたいけど周辺も探索したい…。」


塔を出た私は次の行き先を考える。


「とりあえずマップを見ようかな。」


私はマップを開いて現在地を確認する。


「今いるのはここ…不死鳥の塔だから…ここから一番近いのは


古龍の古代遺跡か…。」


マップによれば古龍の古代遺跡はダンジョンになっているらしい。


古龍って言うと卵と関係がありそうだけど…。


ここってエリアボスがいる場所から結構離れた場所なんだよね…。


先にこっちに行くかエリアボスを倒しに行くか…。


ううむ…どうしよう…。


「スノウと紺はどうしたらいいと思う?」


「きゅ…」


「そうですね…。


近いところから行ってみる方がいいんじゃないでしょうか?


最終的に全部行くわけですし」


「…まぁそうだよね。じゃあ先に古龍の古代遺跡に行ってみようか。」


「はい。」


「きゅ~」


私達はそうして古龍の古代遺跡へと向かうことにした。


★ ☆ ★


古龍の古代遺跡の古代遺跡へ向かう道中の森はなぜかとても薄暗かった。


何だろう…この妙な胸騒ぎは…?


まるで常に何かに見られているような…そんな感覚もする。


この森の戦弔の森って言うのも不安な名前だし…。


「何がいつ襲ってくるか分からないからふたりとも警戒は怠らないようにね。」


「はい…それにしても気味の悪い雰囲気ですね…」


「うん…。このまま何事もなく遺跡に着けばいいけど…」


「きゅ…きゅ!」


「ん?スノウ?どうしたの?」


突然大声を出したスノウが見ている方を見ると無数の光る眼がこちらを見ていた。


「目線の正体はあれか…スノウ、紺。追いつかれる前に一気に駆け抜けるよ。


追いつかれたときだけ撃退で。」


「きゅ」


「はい!」


私達はモンスターに襲われる前に一気に駆け出す。


するとモンスター達は私達を追いかけて一斉に動き始めた。


「意外と早い!」


ものすごいスピードでモンスターたちは追ってくる。


流石にこれじゃ追いつかれちゃうかも…?


「スノウ!でっかい氷の塊作って!」


「きゅ!!!!」


「紺!あれを怖そうなモンスターに見えるように幻出せる!?」


「やってみます!」


紺はスノウが出した大きな氷を大きなモンスターに見せる。


するとモンスター達は怯えて反対方向に飛んで行った。


「ありがとう二人とも。さてと…出口はすぐそこなんだけど…


そう簡単にはいかないみたいだね。」


出口に差し掛かったところで紫のガスのようなものを纏った人型のアンデットモンスターが現れた。


「あれは…」


私はすぐにモンスターの詳細を確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ポイズンデスゴースト


《ユニークボス》


※物理攻撃無効


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ポイズンデスゴースト…


ここのユニークボスか…。


それにしても情報少なくない…?


属性も書いてないし…


なんか引っかかるけど…。


「ひとまず倒してみようかな。


物理は無効だけど…


ルシェリ!パラライズシャワー」


「ルル~!」


手始めにルシェリに麻痺を撒いてもらう…が。


「シュルル…」


「効いてない…状態異常耐性持ちかぁ…」


相手は痺れた様子は見せない。


物理もだめ…状態異常もだめってなると…。


「魔法攻撃で倒し切るしかないかな。


みんなお願い!」


「きゅ!!!!」


「えい!!!」


「ルル~!」


「私も!!!」


私達はポイズンデスゴーストに一斉に攻撃を仕掛ける。


すると徐々に耐えれなくなってポイズンデスゴーストは消滅した。


しかしその直後紫の靄のようなものが集まり一つになる。


そして馬に乗った騎士のようなモンスターとなった。


「…嘘でしょ」


《ユニークボス:ポイズンデスゴーストジェネラルが出現しました。


戦闘を開始します。》


こっちが本命か…


通りでさっきのは簡単に倒れたわけで…。


「気を引き締めていくよ」


「きゅ」


「はい!」


「ルル!」


「…!」


こうして私達はポイズンデスゴーストジェネラルとの戦いを始めるのだった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る