第120話 番外編 とある場所にて②
「社長。失礼します」
「おー。来たか。お疲れさん。今の進歩はどうだ?」
部屋に入ってきた男に対して社長…と呼ばれた椅子に座った男はそう訊ねる。
「あんまりよくはないっすけどまぁいつもよりはいい感じっすね。」
「いつもより進んでるならいい感じじゃねぇか」
「そうっすかね…?それで…呼び出したのは何の用なんすか?
自分を呼び出したってことはなんかあるんすよね?」
満足そうにしていた男は質問を聞いて顔色を変える。
「ああ。聞いているかもしれんが重刀剣豪ムサシが倒された。」
「!?ずっと作業してて聞いてませんでした…。あれを倒せるプレイヤーなんているんすか…?
自慢とかじゃないっすけど結構強く作ったはずっすよ?
しかも発生条件も複雑にしたましたし。
簡単にクリアさせないために強制的に職業変更するギミックも組み込みましたし。
並大抵のプレイヤーじゃ見つけられないし倒せないはずっすけど…。
作った自分ですらいけるか怪しいとこっすよ?
それに倒される順番的には9番目くらいだと思ってたんすけど…。
一体どこの誰なんすか?
その規格外のプレイヤーは。」
「例のユズってプレイヤーだよ。
しかもソロ討伐だ。」
「ソロ!?」
「ああ。正確にはNPCと協力して…みたいだが。」
そう言って社長は戦闘時の映像を男に見せる。
「狐族の長との共闘の条件も割と難しくしたはずっすけど…
ユズってプレイヤー…要観察っすね…。」
「前にも言ったが個人に対してあからさまな修正を掛けるのはなしだからな?」
「わかってるっすよ。
ユズってプレイヤーに負けないくらい強いモンスターをデザインすればいい話っすから。」
「頼んだぞ。」
「はい。では失礼します。」
男は一礼すると部屋を後にした。
男が部屋を後にした後、社長と呼ばれていた男は一つ息を吐く。
「ユズってやつ…どんな奴か興味が湧いてきたな…。
一回直で会いに行ってみるか。」
そう呟く男の目線の先には巨大な装置が映っていた。
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